日立製作所は4月4日、中規模環境向けディスクアレイサブシステム製品系列「SANRISE Adaptable Modular Storage」の最上位モデル「SANRISE AMS1000」と、SANRISEシリーズ専用のバックアップ装置「SANRISE TF800」を発表した。いずれも、4月5日に販売、出荷を開始する。
SANRISE AMS1000は、異なる業務のデータを集約することによる業務間の性能干渉やリソース使用率低下を回避するため、キャッシュパーティション機能を強化した。その結果、最大32パーティションまで拡張可能となった。単一ストレージ内でSAN、NAS、iSCSIというマルチインターフェース構成に対応しており、用途や特性が異なるデータが混在する業務環境でもストレージを集約、統合できる。
記憶容量500GバイトのシリアルATAハードディスク(HDD)を新たに利用可能とし、4Gbpsファイバチャネル対応HDDとの混載にも対応した。総記憶容量は、従来モデルの1.3倍に相当する215.2テラバイトまで拡張可能。ディスクアレイコントローラの内部転送能力についても、約2倍に高速化した。
また、中規模環境向けの非同期リモートコピー機能「TrueCopy Extended Distance」を備える。これにより、データの一貫性を保証しつつ、コピー元の業務性能への影響を極小化しながら、長距離コピーを実現し、「災害や障害に対応するシンプルでローコストなディザスタリカバリシステムを構築する」(日立)。リモートコピー処理は、更新差分データだけを転送するので、回線コスト削減が可能だ。日立は、内蔵HDD間でオンライン中にデータマイグレーションを実施する機能の提供も予定している。
一方のSANRISE TF800は、SANRISEシリーズに直接接続し、サーバシステムに依存しないバックアップシステムを構築できる。非圧縮時の記憶容量は、6.4テラバイトから25.6テラバイト。論理ボリューム単位のフルバックアップ方式だと、1テラバイトを約55分でバックアップする。日立では「従来製品に比べ3倍の高速バックアップが可能で、サーバを経由しないためスピーディな復旧処理を実現する」としている。
両製品の税込み価格は以下のとおり。
- SANRISE AdaptableModular Storage 1000:1190万9100円から
- SANRISE TF800:1038万4500円から