凸版印刷は4月4日、博物館や美術館の収蔵品情報を管理するASPサービス「MuseScope(ミューズスコープ)」を開始した。各館ごとに専用システムを構築する手間を省き、ハードウェアおよびソフトウェアの設備投資を大幅に低減できる。
凸版印刷のデータセンターサービス「TOPICA」を利用。収蔵品情報を、サムネイル画像、作品名、制作者、技法、材質、寸法といった項目に整理し、同社のサーバ上で一元管理する。
博物館や美術館の職員は、ウェブブラウザからこれらの情報の登録、閲覧、編集、削除できるほか、CSV形式で一括出力することも可能。インターフェースは操作が容易で、専任のシステム運用者は不要という。また管理者、学芸員、職員、といった3段階の権限レベルを設定し、それぞれの役職に応じてアクセス制限をかける機能も備える。
東京国立博物館などが推進する収蔵品情報管理の共通規格「ミュージアム資料情報構造化モデル」に準拠。同規格をベースに、館ごとに管理項目の拡張もできる。料金は初期費用が10万円から、年間利用料は96万円から。収蔵品情報の電子化などは別見積りとなる。
凸版印刷は今後、同ASPサービスを利用する館同士の横断的な収蔵品検索といった、情報共有サービスも計画している。