Microsoftは同社の主力データベース「SQL Server」を2〜3年ごとにアップデートする計画を進めているが、その第一弾として、小型デバイス向けの組み込みデータベースをリリースしようとしている。
同社のサーバアプリケーション部門シニアバイスプレジデントPaul Flessner氏は米国時間4月6日、SQL Serverの次期版およびその次のバージョンに関する設計目標を発表した。同氏によれば、先頃提供を開始したSQL Server 2005の売上が、過去2会計四半期にわたってMicrosoftに20%の増収をもたらし、同社の幹部を驚かせているという。
Flessner氏は、「SQL Server Everywhere Edition」と呼ばれる新データベースの「コミュニティ技術プレビュー版」を今夏にもリリースする予定だと話した。製品の完成は2006年後半になる見込みだ。
SQL Server Everywhereは「組み込み型」のデータベースで、サーバに接続して情報を得るというのではなく、携帯電話などの小型デバイスにデータを保管するスタイルを実現する。Flessner氏は、Microsoftでは以前から独自に開発した組み込みデータベースを社内で利用してきており、今回はこれを商用製品としてリリースすることになったと説明した。
OracleやIBM、Sybaseなどの企業は、組み込みデータベースをすでに販売している。また、最近Oracleに買収されたSleepycatが提供しているような、オープンソースの組み込みデータベースもいくつか存在する。
Microsoftは、将来の製品におけるデータおよびストレージのトレンドを特定し、それにしたがってSQL Serverの今後の2つのバージョンをデザインしていく予定だと、Flessner氏は述べた。
特に、これからもデータは急速に増大することや、ストレージのコストが下がり、2007年までには100ドルのディスクに1テラバイトのデータを保管できるようになること、さらには、電話、カメラ、デジタル音楽プレイヤーといった強力なデバイスで大量のデータを保管する機会が増えることなどが予測されているという。
こうした変化に対応するために、Microsoftは、画像や音楽ファイルなどの「非構造化データ」を効率的に保管する技術に投資している。
また、同社のデータベースエンジニアは、データを分析し、データベースを管理するツールの改良に取り組んでいるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ