マイクロソフト、組み込みデータベースの提供を予定

文:Martin LaMonica(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)

2006-04-10 12:54

 Microsoftは同社の主力データベース「SQL Server」を2〜3年ごとにアップデートする計画を進めているが、その第一弾として、小型デバイス向けの組み込みデータベースをリリースしようとしている。

 同社のサーバアプリケーション部門シニアバイスプレジデントPaul Flessner氏は米国時間4月6日、SQL Serverの次期版およびその次のバージョンに関する設計目標を発表した。同氏によれば、先頃提供を開始したSQL Server 2005の売上が、過去2会計四半期にわたってMicrosoftに20%の増収をもたらし、同社の幹部を驚かせているという。

 Flessner氏は、「SQL Server Everywhere Edition」と呼ばれる新データベースの「コミュニティ技術プレビュー版」を今夏にもリリースする予定だと話した。製品の完成は2006年後半になる見込みだ。

 SQL Server Everywhereは「組み込み型」のデータベースで、サーバに接続して情報を得るというのではなく、携帯電話などの小型デバイスにデータを保管するスタイルを実現する。Flessner氏は、Microsoftでは以前から独自に開発した組み込みデータベースを社内で利用してきており、今回はこれを商用製品としてリリースすることになったと説明した。

 OracleやIBM、Sybaseなどの企業は、組み込みデータベースをすでに販売している。また、最近Oracleに買収されたSleepycatが提供しているような、オープンソースの組み込みデータベースもいくつか存在する。

 Microsoftは、将来の製品におけるデータおよびストレージのトレンドを特定し、それにしたがってSQL Serverの今後の2つのバージョンをデザインしていく予定だと、Flessner氏は述べた。

 特に、これからもデータは急速に増大することや、ストレージのコストが下がり、2007年までには100ドルのディスクに1テラバイトのデータを保管できるようになること、さらには、電話、カメラ、デジタル音楽プレイヤーといった強力なデバイスで大量のデータを保管する機会が増えることなどが予測されているという。

 こうした変化に対応するために、Microsoftは、画像や音楽ファイルなどの「非構造化データ」を効率的に保管する技術に投資している。

 また、同社のデータベースエンジニアは、データを分析し、データベースを管理するツールの改良に取り組んでいるという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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