Ayars氏は、DRM利用への「理性的」な反論とは何かについて説明していないが、LinuxでDRMをサポートすると革新が遅れるといった悪影響が出る「可能性」については認めている。
「保護されたメディアが中心になれば革新は制限される。保護されたコンテンツでは、TiVoのタイムシフトテレビのような新しいビジネスモデルは生まれなくなる。同社がこの革新を実現できたのは、映像信号が保護されていなかったからだ」(Ayars氏)
オープンソースコミュニティーの大半はLinuxへのDRM搭載に否定的な態度をとる可能性が高いが、商用Linuxベンダー各社の方はもっと肯定的なようだ。
「消費者向けのソフトウェア開発をビジネスとするRed Hat、Novell、あるいはLinspireといったところに話を聞くと、彼らは自社製品の購入者が(DRM保護付きのマルチメディアを)利用できるようにしたい考えを示した」(Ayars氏)
Linspireの最高技術責任者(CTO)、Tom Welch氏は、同社が必ずDRMを検討することを約束している。
「Linspireは自社のディストリビューションにまだDRMを搭載していないが、(AppleのFairPlayやMicrosoftのPlaysForSureなど)コンシューマー向け製品に使われているようなDRMなら機会があれば搭載したい。だれかがオープンソースのDRMを投入するならそれを支持するが、同時に主力コンテンツプロバイダーにもそれを支持してもらいたい」(Welch氏)
Novellはメディアフォーマットのサポート拡大を切望しているが、DRMのサポートには言及していない。
NovellのLinux製品マーケティングディレクターGreg Mancusi-Ungaro氏は、「われわれは、Linuxユーザーが全フォーマットのメディアを利用できるようになる日が来ることを待ち望んでいる。言うまでもなく、われわれは自社製品でオープンなメディアフォーマットをサポートしており、現在は、独自フォーマットを管理するベンダー各社ともそのサポートに向けて交渉中だ」と語っている。
執筆時にRed Hatからコメントを得ることはできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ