Sun Microsystemsの元幹部は、同社の最高経営責任者(CEO)Scott McNealy氏が同社の業績悪化を食い止める手立てとして、もっと早く人員削減に踏み切るべきだったと、同CEOを痛烈に批判する記事を発表した。
Sunのサーバグループの指揮官として、2002年の退職まで15年間同社に勤めていたJohn Shoemaker氏は、SunのJava関連の開発およびStorage Technologiesの買収にかかった費用についても苦言を呈し、さらにSunは前のプレジデントEd Zander氏を退職させるべきではなかったと述べた。
「Sunの幹部が最大の危機的局面に立たされたのは、迅速かつ大幅な人員削減の必要性を、最も高い決定権を持つ人物に納得させることができなかった時だ」とShoemaker氏は述べている。Shoemaker氏の記事は、同氏が1966年にMBAを取得したインディアナ大学ケリービジネススクールが発行する定期刊行物「Business Horizons」の1〜2月号に掲載されている。
「CiscoやIntelのような大手技術企業がこれまでに築いたものを守るため、そして株主の投資を保護するために困難な状況に打ち勝ってきた。他方、Sunの人員削減策はあまりにも規模が小さく、遅きに逸した。Sunは人員削減策に関して厳しい決定を下すことができずいたのだ。私は、このたった1つの失策がSunの現在の低成長を加速させた致命的な要因だと確信している。」(Shoemaker氏)
人員削減は依然として、財政的な苦境に立たされているSunの大きな問題であるのに対し、IBM、Dell、Hewlett-Packard(HP)などのサーバ競合会社は均衡を取り戻し、再び売上増となった。Sunは2001年から2005年にかけて1万3000人以上の人員を削減したが、経費率は依然として高いままだ。2001年から2005年の会計年度で売上高が39.3%下落したのに対し、営業経費はわずか26.5%減に留まっている、とSanford C. BernsteinのアナリストToni Sacconaghi氏が指摘した。
Sunは、詳しい説明やShoemaker氏の批判に関するコメントは避けたものの、最高財務責任者(CFO)Mike Lehman氏が同社に復帰したことによる状況の変化を示唆した。
Sunの広報担当Stephanie Von Allmen氏が米国時間4月10日に述べたところによると、Lehman氏は「あらゆる面を見直す」という。「同氏はよりスリム化した効率的なビジネスモデルを組み立てる予定で、それは2007年度予算に採り入れられ、7月四半期の開始となる予定だ」とAllmen氏は述べた。Sunの2007年度予算は7月1日の開始だ。
「Lehman氏が再び就任したことで、株価は25%高となった。つまり市場は明らかに実質的な経費削減を期待しているのだろう。私は、人員削減が重要なポイントになると思う」(Sacconaghi氏)