VMwareは数カ月前から、同社が仮想アプライアンスと称する仮想マシンベースのソフトウェアパッケージを、無料で試用できる2種類のサービスを提供している。1つ目が、2005年にリリースされたデスクトップアプリケーション向けの「VMware Player」で、インターネットを安全に閲覧するためにパーティションを隔離するといった用途がある。2つ目は、2006年2月に提供が始まったサーバ向けの「VMware Server」だ。
Xenのプログラマは現在、同社の中核的な仮想マシンソフトウェアの安定化に取り組んでいるところだが、XenSourceの共同設立者であり最高技術責任者(CTO)でもあるSimon Crosby氏は、いずれXenでも仮想マシンベースのインストールが可能になると予測している。XenにはVMwareほどの成熟した仮想マシン管理ソフトウェアがなく、利用顧客数もまだ少ないものの、「そうしたアプローチを取ることはXenでも同様に可能であり、近いうちに必ず利用できるようになると考えている」と、Crosby氏は述べた。
ライセンスの問題
一方、IlluminataのアナリストGordon Haff氏は、状況はそこまで早く進展しないと考えている。「確かにそういった方向へ進んでいるが、だれもがアプリケーションをインストールする際に同技術を用いるようになるといった、大規模な変化は起こらないだろう。現実的には、あまりにも多くの問題が残っている。ライセンスもその1つだ」(Haff氏)
インストールを行うにはOSを介さねばならず、たとえソフトウェア企業がアプリケーションの任意配布に賛成しても、OS企業がこれに神経をとがらせているという事情が、ライセンスが問題となる主な原因になっている。
例えば、Microsoftのサーバ仮想化部門グループ製品マネージャーのJames Ni氏によれば、同社は配布できるWindowsは評価版のみと規定しており、それも社内でだけ可能で、用途はソフトウェアのテストおよび評価に限られているという。
またNi氏は、「Windows Serverは今のところ再配布が一切できない状態になっている」と述べた。今日では、仮想インストールは業務利用のためではなくソフトウェアをテストするのに用いられていることから、評価用ソフトウェアの提供という同社のアプローチは間違っていないと、Ni氏は主張している。
こうした考えを持つのは、Ni氏ばかりではない。ForresterのアナリストであるFrank Gillett氏も、「仮想インストールは、主に検証用の技術になるだろう」と見込んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ