富士通と富士通研究所は4月12日、グリッドコンピューティング技術を用いて通信キャリアサービスに必要なITリソースを動的に配分するシステム「Grid Service Platform(GSP)」について、実証実験に成功したと発表した。システムの開発と実験は、フランスのFrance Telecomと共同で行った。
3社は、France Telecomのパリおよび新宿と、富士通研究所の川崎という3拠点にある24台のサーバをグリッド技術で仮想化して統合し、アプリケーションの負荷に応じて動的リソース配分を行うプラットフォームGSPを共同開発した。実証実験では、対話型アプリケーションであるFrance Telecomのテレビ会議サービス「eConf」と、バッチ型アプリケーションであるデータ解析処理をGSP環境上で動かし、負荷を変動させて状況を調べた。
その結果、アプリケーションの負荷やビジネス上の優先度に応じて、3拠点のサーバリソースを自律的に割り振れることを確認できた。富士通と富士通研究所は「既存リソースを有効活用した効率的なシステム構築が可能なことを示せた。さらに、サービスの負荷に応じてリソースを自動的に割り振ることで、従来のシステムでは処理できなかった負荷にも対応可能」とする。3社は今後、実サービスによる実証を予定している。
GSPは、東京国際フォーラムで開催されるGrid World 2006(5月11日から12日)と富士通フォーラム2006(5月18日から19日)に出展する。