カブドットコム証券は4月17日、自然災害やサイバーテロなどの対策として、福岡県に新たなシステムセンターを開設したと発表した。今後3年間で50億円程度を投資し、順次設備を増強する。また新センターを中心として、福岡に第2の事業拠点を置くとしている。
カブドットコムによると、福岡は東京から約1000kmの距離があり、広域災害が起きても同時に被災するおそれが少なく、平時の交通の便がよいといった利点がある。またIT企業が多く、アジア各国との連絡性にも優れ、比較的人材の調達が容易という。
新センターは、九州電力のグループ会社キューデンインフォコムのインターネットデータセンター(IDC)サービスを採用する。
同IDCは、2005年3月の福岡西方沖地震でも被害を受けずに継続運転した実績がある。また福岡県の運用する伝送速度2.4Gbpsの光回線「ふくおかギガビットハイウェイ(FGH)」をはじめ、九州電力などが運用する大容量光海底ケーブル「日韓ケーブルネットワーク(KJCN)」、カブドットコムがインターネット接続に利用するインターネットイニシアティブ(IIJ)の福岡アクセスポイントとの接続性にも優れるという。
カブドットコムはすでに大阪にシステム復旧用の拠点を持っており、1日ごとに東京のシステムセンターのデータをバックアップしている。福岡のシステムセンターでは、オンライン証券取引サービスの継続的運用やシステムの即時復旧などを目指す。そのため東京〜福岡間でデータを同期し、災害発生5分前までのデータを、災害発生の30分後までに復旧することを指標にしている。なお、災害復旧基盤には伊藤忠テクノサイエンス、日本ヒューレット・パッカード、シスコシステムズの3社が提供するオープン系システムを採用する。