営業力強化を支えるCRMの仕組みをTeradataで実現--りそな銀行 - (page 2)

谷川耕一 2006年05月09日 18時16分

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 コンシューマーバンキング部担当執行役員の岩田直樹氏は、システムの成果について次のように語った。

 「数年前、店頭窓口での投資性商品の販売比率は5%足らずでした。これが現在は24%を超えています。もちろん、顧客データを活用するCRMシステムだけがこの成長に寄与したわけではありませんが、このように検索や分析の環境を充実させることが、営業力強化のために今後も必須となると考えています」

営業力強化を実現する地域展開にも注力する

 りそなグループでは、地域展開という方法でよりきめ細かい顧客サービスを実現しようとしている。日本全国のりそな銀行が9地域、3地方営業部、2東西営業部、加え埼玉りそな銀行が4地域あり、それぞれにおいて地域CEOを任命しさまざまな権限を与えている。

 「地域で考え地域単位で運営することで、顧客にできるだけ早く対応することを目指しています。それには、地域ごとにマーケティング活動をおこなうことが、きわめて重要です。そのために、経営ツールとして検索、分析の環境を地域に解放していきます」と岩田氏。

 これまでは、本部が集中してマーケティング分析をおこなってきた。地域自らが検索や分析をできるようにしないと、地域ごとの迅速な判断は実現できない。自らの判断で、新たなマーケティング活動が実施できるようにするとのこと。とはいえ、データウェアハウスには、セキュリティ上重要なデータが多数含まれるので無闇な開放はできない。どの範囲まで開放するのか、利用上どういった制限をもたせるかを現在検討している最中という。

 また、検索、分析システムの営業店への開放は、2007年度中におこなわれる予定で、これにより地域運営という営業体制の、さらなる効率化を目指している。

 もちろん、システムを現場に導入しただけではだめだ。システムをどう使いこなすかで、その効果が決まる。

 「店頭の担当者の要求は、非常にシビアです。レスポンスが悪ければ、そのあとは使ってくれません。クリックして数分かかるようでは、翌日から使われないのです。回線の太さが十分確保できるかなど、現場できちんと性能が発揮できるかにはかなり気を使っています」と岩田氏。

 窓口の担当者がどれくらいシステムを使っているかを監視し、なぜ使われないのかということを分析して改善していく。どうすれば使ってもらえるのか、現場にインセンティブを与えることも含め方策を考えているという。

 今後のTeradataへの期待は、「より現場が使いやすいツールの提供だ」と岩田氏。さらにスピーディーに、営業店が欲しいデータを容易に提供できるようにしたいという。そしてTeradataを提供するNCRに対しては、法人用の名寄せ機能に大きな期待がある。

 従来、法人の名寄せ作業は非常に複雑な仕組みが必要で、グループ企業がどういう集団であるかを瞬時に検索するなどは簡単には実現できなかった。これが瞬時に提供できるようになると、現場ではきわめて有用なツールになるのだ。

 「社内に向かって、CRMシステムをどんどん使いましょうというキャンペーンを張るようでは意味はありません。窓口の担当者は、収益をあげることを目的としています。つまり、彼らが販売を促進させるためには、ここにこう入力してこう使えばうまくいくということをきちんと伝えればシステムを使ってもらえます。いいもの作っていれば、現場は絶対に使ってくれます。そして、いまのシステムは、かなりいいものができたと確信しています」と自信をみせる岩田氏。

 りそな銀行では、よりよいシステムを開発して現場の営業力を強化し、さらなる顧客サービスの充実を実現することを目指している。

■企業情報
企業名株式会社りそな銀行
本店所在地大阪市中央区
資本金2799億円
設立2003年3月1日
有人店舗数371店(代理店を含む)
店舗外ATM510個所(共同出張所を除く)
URLhttp://www.resona-gr.co.jp/resonabank/

■事例のポイント
課題従来システムでは顧客データの分析において性能や機能に制限があったため思うような分析ができなかった。
導入システムデータの検索性能やツールの使いやすさ、並列コンピュータの導入実績により日本NCRのTeradataを採用。
導入効果データアクセスの制限が無くなり100ユーザー以上がTeradataに直接アクセスすることが可能に。
今後の展開より使いやすいシステムの提供により、現場の営業力を強化し、顧客サービスのさらなる充実を目指す。

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