NTTデータは5月11日、複数の医療機関による臨床研究や疫学研究の症例データを安全、効率的に管理できるASPサービス「SecureStudy」を発売したと発表した。厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」で要求されるセキュリティレベルを確保し、個人情報を含んだ臨床症例データの安全な利用環境を構築できる。
SecureStudyは、数百から数千に上る臨床症例データを医療機関から収集して研究される臨床研究や疫学研究を対象としたサービスで、症例データ登録用のウェブアプリケーションと症例データ管理用のデータベースを、共同利用型ASPサービスとして提供する。共同利用型のASPサービスとして提供するため、臨床研究や疫学研究業務の効率化と低コスト化を実現できるとしている。
ウェブアプリケーションとして提供することで、リアルタイムなデータの収集や進捗確認、抽出ができる。また、入力アプリケーションは柔軟に構築できるため、研究計画などに合わせて最適化が可能。必須項目の入力漏れなどのミスにも対応する。さらに指紋認証や端末相互認証機能、アクセス権の設定などで利用者を限定し、高いセキュリティを実現している。個人情報と症例は分離され暗号化することで、情報漏えいにも対処している。遺伝情報など、より厳しく個人情報保護対策が求められる臨床研究に向けては、臨床検査匿名化システム「SecureName」と組合せた利用も可能だ。
サービス利用料は、症例数240の場合で月額25万円となっており、今後NTTデータでは、大学等の研究機関における研究、および製薬企業が実施する新薬の臨床試験や製造販売後調査をSecureStudyの適用分野として、今後3年間で20ユーザーとの契約を目指すとしている。