カリフォルニア州サンフランシスコ発--Hewlett-Packard(HP)が、自分たちはDellから企業顧客を奪いつつあり、PCの直接販売で築いた支配的な地位からDellを追い落とそうとしていると述べている。
大企業ユーザーはDellの販売体制に不満を抱き始めていると、HPは米国時間5月10日に話した。さらに同社は、Dellが今週に入って、第1四半期の収支結果はアナリストの予測を下回るおそれがあると発表した件にも言及した。
HPのパーソナルシステムグループ担当バイスプレジデントAlberto Bozzo氏は、当地で開催されている「HP Mobility Summit」において、「われわれは、大規模かつ戦略的な領域のほとんどで、Dellに取って代わりつつある」と、ZDNet UKに対して語った。
「HPの現在の大企業ユーザーは、その大半がDellに失望したユーザーだ。彼らは、各種のサービスが提供されないことや、提供されたとしてもそのタイミングが悪いこと、さらには製品の品質に満足できなかったと言っている」(Bozzo氏)
Bozzo氏は、Dellのパフォーマンスが低下したのは、直接販売市場で「熾烈な競争」が繰り広げられていることと関係があると指摘した。
「ユーザーは、HPが直接販売サービスの質を高く維持していることを踏まえて、われわれから製品を購入したいと考えている」(Bozzo氏)
HPは、より多くの企業顧客に同社の直接販売事業の魅力をアピールしていこうと考えている。
「世界には、新たに取り込んでいくことのできるユーザーがまだまだ多数存在している。当面は、IBMとDellのユーザーを主な対象とするつもりだ」(Bozzo氏)
直近の四半期におけるHPの売上高は6%増加し、純利益は227億ドルに達した。一方Dellは、4月に終了する四半期の売上高が142億〜146億ドルになると見込んでいる。また、Dellと直接競合している、HPのパーソナルシステムグループの第1四半期の収入は、前年比8%増の74億ドルとなった。
第1四半期の収支報告を目前に控えたDellは現在「沈黙期間」にあり、収入に関してHPが述べたことに対してもコメントを拒否している。ただ、DellのシニアマネージャーであるDean Kline氏は、HPに大企業ユーザーを奪われているという事実はないと反論した。
Kline氏はZDNet UKに対する電子メールの中で、「米国および多国籍の大企業顧客は、今も変わらずDellと取り引きし、Dellを技術パートナーとして直接協力しあうことのメリットを享受している」と述べている。
「IDCが実施した2005年第4四半期に関する調査結果からも、この事実は裏付けられている。同調査は、米国の大企業(従業員500名以上)に対して出荷されたPCの44.4%がDell製品で、HPのシェアは21.9%にとどまっていることを明らかにした。また、Dellのマーケットシェアは前年比2.4ポイント増、2005年第3四半期と比べて2.7ポイント増だったが、HPのシェアは同1.9ポイント増、0.8ポイント増という結果だった」(Kline氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ