SAS Instituteは5月18日、同社のビジネス・インテリジェンス(BI)プラットフォームの次期バージョン「SAS 9.2」の概要について明らかにした。SAS 9.2は、同社が5月16日〜18日の期間、スイスのジュネーブで開催した「SAS Forum International Geneva 2006」で発表された。
SAS 9.2は、ETL(データ抽出/加工/ロード)から、データウェアハウス、ビジネスレポーティング、データマイニングによる分析、予測モデルまでの機能を実現する情報インフラストラクチャ。高度なBI機能を提供することで、顧客企業は、コストの削減はもちろん、投資収益の向上を短期間で実現することが可能になる。
次期バージョンでは、SAS System最大の特長である「拡張性(Scalability)」「操作性(Usability)」「相互運用性(Interoperability)」「運用管理性(Manageability)」の4つの機能が強化されている。
まず、拡張性(Scalability)では、ストレージエンジンの拡張や新機能が追加されたほか、DataSynapseなどのミドルウェア製品にも対応したグリッド機能、大容量OLAPキューブの容易な操作性、モデリング言語やシンプルで標準化されたデータ入力などが強化されている。
また、操作性(Usability)においては、SAS/INSIGHTにおけるより高度な分析や統計的なモデリング、動的に連携された双方向のグラフィック機能などを搭載したStudio機能を提供するほか、より強化されたグラフ機能、Ajax対応のSAS Web Report Studioなど、さまざまな機能拡張が行われている。
さらに、相互運用性(Interoperability)では、XMLやXMLベースの財務処理関連の業界標準であるXBRLをサポートするほか、SOAP/WSDLなどのWebサービス機能の強化、Javaポータル仕様であるJSR168のサポート、CitrixやVMwareなどの仮想化技術のサポートなどが強化されている。
そのほか、運用管理性(Manageability)として、スケジュール管理機能、よりきめ細やかなログ管理機能、OLAPモニタリング機能などが強化されている。
SAS 9.2は、2007年第2四半期にリリースされる予定だ。