オラクル、DB市場を圧倒--今後のライバルはオープンソースか

文:Candace Lombardi(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、長谷睦 2006年05月26日 21時11分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Oracleがデータベースソフトウェア市場における圧倒的優位を保っていることが、最新の調査結果で裏付けられた。しかし、今後はオープンソース陣営からの挑戦が待ち構えているというのがアナリストたちの見解だ。

 調査を行ったIDCとGartnerの両社は、データの保存/操作/読み出しを行うリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)ソフトウェア市場は、今後も世界規模で成長を続けると予測している。また、主に企業のデータウェアハウスに対する需要が、これからも市場を牽引するとみている。

 両社はそれぞれ、5月の第4週にRDBMSソフトウェアの2005年世界市場の売上に関する調査を発表し、その中で以上のような見解を明らかにしている。

 また、今後、RDBMS市場におけるOracleの圧倒的な地位を脅かす最大の競争相手としては、複数のアナリストがMySQLなどのオープンソースを利用する企業を挙げている。オープンソースソフトウェアが普及すれば、RDBMS製品の価格設定やライセンス契約の手法も変わり、現状が一変する可能性もある。

 Gartnerの主席アナリスト、Colleen Graham氏は声明の中で「このようなオープンソース(のデータベース管理システム)製品は機能や拡張性の点で進化し続けており、DBMSツールベンダーもオープンソース製品に対するサポートを開始している」と述べている。

 しかし、Oracleはオープンソース陣営からの挑戦は問題ではないと主張する。

 Oracleのデータベース製品マーケティング担当バイスプレジデント、Willie Hardie氏はCNET News.comの取材に対して次のように答えた。「IDCはオープンソースベンダーの具体数を明記していないし、Gartnerはオープンソース陣営全部を合計しても、その市場シェアは1%未満だとしている。つまり、市場全体の中では目にとまるほどの割合ではないということだ。言及する価値があるかさえ疑わしい」

 しかしGartnerのGraham氏はこのような見方に異を唱え、MySQLやIngresをはじめとするオープンソースソフトウェア販売企業は、2005年時点におけるデータベースシステム(DBS)ソフトウェア市場でのシェアを見れば1%未満にすぎないが、前年比47%という大きな成長を見せていると指摘する。

 「われわれはこの伸び率を高く評価している。確かに現時点のDBS市場においては非常に小さな勢力だ。しかし10年前のLinuxを思い出してほしい。当時はほんの小さな勢力に過ぎなかったLinuxだが、今では状況はすっかり変わっている」(Graham氏)

 Gartnerの調査によれば、LinuxはRDBMS向けのプラットフォームとして最も急速な成長を遂げたが、これはOracleの力によるところが大きいという。Linuxの成長率は84%と、Unixを上回っている。

 また、IDCは、オープンソース普及の原動力は、比較的若い開発者の支持にあると見ている。これに対してGartnerは、開発者の年齢的な問題よりも、むしろオープンソースモデルの成熟に普及の要因を求めている。しかし、オープンソースの普及が市場の変化を促しているという点で両社の見解は一致している。

 Graham氏はOracleがオープンソースデータベース企業のSleepycat Softwareを買収したことに触れ、「オープンソース製品はたいてい、最初は小規模だが最終的には大きな影響力を持つようになる。Oracleにもそれはわかっている。同社自身がオープンソースベンダーを買収したのは、そうした流れに乗り遅れまいとする動きだ」と指摘した。

 「われわれは、(オープンソースソフトウェア販売会社が)市場でのシェアを獲得すると予測している。しかも、普及のスピードはおそらく極めて速いだろう」(Graham氏)

 IDCの調査によると、2005年度のRDBMSソフトウェア市場規模は全世界で9.4%増の146億ドルとなったという。

 同社の調査報告では、この成長には新興市場も寄与しているが、これらの地域では価格を低めに設定しているため、今のところ市場全体に影響を及ぼすほどの利益をもたらしていないと述べている。成長の大部分は、米国やヨーロッパ、中東、アフリカ地域など既に成熟した市場によるものだ。

 IDCの統計では、2005年の世界市場で1位となったのは依然としてOracleで、売上は65億ドル、シェアは44.6%にのぼった。同社に続くIBMはシェア21.4%で、第2位の座を守った。追い上げが及ばずシェア16.8%で第3位に甘んじたのはMicrosoftだが、昨年後半に「SQL Server 2005」がリリースされたことから、同社のシェアは今後も伸び続けるとIDCは予測している。

 一方、Gartnerの統計では、2005年の市場規模を前年比8.3%増の138億ドルとしている。こちらでも全世界で48.9%の市場シェアを占めるOracleが圧倒的な強さで1位で、以下IBMが2位、Microsoftが3位と続いている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
開発

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化