製品サイクルを変更した理由についてHall氏は、「バージョンアップのたびに開発者はドライバやツールを変更する必要があった。機能パックにすれば、ツールなどを変更せずに新機能が使える」と説明する。
Windows CEの機能パックとしては、4月4日に「Windows CE 5.0 Networked Media Device Feature Pack」が発表されている。これは、ネットワークメディアデバイスやIP活用型のセットトップボックスを開発するデバイスメーカーに向けたもので、PCの音楽や画像、動画などを、ホームネットワークを介してテレビに配信するといった機能が容易に実装できる。
また、Windows CEの次期バージョン6.0は、現在ベータ版がすでに公開されており、2006年中には正式バージョンが発表される予定だ。その次のバージョンアップは、18カ月から24カ月後となる。
Windows XP Embeddedは、デスクトップ版の「Windows Vista」がリリースされた後に「Windows Vista with Embedded Restrictions」として生まれ変わる。ただし、このバージョンはXP Embeddedのように各機能が細かくコンポーネント化されたものではなく、Vistaのフル機能を組み込み製品向けに改良したものだ。コンポーネント化された組み込み用Vistaは、2007年中にリリースされる予定だ。
POS端末向けのWEPOSは、3月に新バージョンの1.1が発表されたばかり。次のバージョンアップは2007年になる。
Microsoftはさらに、5月上旬に米国ラスベガスにて開催されたMEDCにて、「.NET Micro Framework」を正式に発表している。これは、Windows CEよりもさらに小さな300Kバイトという最小のコンポーネントで、これまで主にSuuntoなどの時計メーカー向けに提供していた。正式版の発表と同時に、米Digi Internationalがこのフレームワークをベースにしたレファレンスボードを開発することも表明している。
このように幅広い分野に適したOSを提供することで、「Windowsベースの製品の範囲がさらに広がることになる。今後も組み込み用プラットフォームへの投資を積極的に続ける」とFreed氏は述べた。