--現時点で、マイクロソフトの検索プラットフォームを使って興味深いシステムを構築しているユーザーの事例があれば聞かせてください。
Savoye すでにたくさんの事例があります。たとえば、米国のある不動産業者は、地図検索サービスである「MSN Virtual Earth」を使用して、ユーザーが自分の興味を持っている物件の周辺事情を調べることができるサービスを実現しています。
また、ある石油会社では、MSN Virtual Earthを使用して、ハリケーンの通り道を分析するアプリケーションを構築しています。この事例では、もしハリケーンが来た場合に石油の掘削現場からどのようなルートで避難すればよいかを決定したりしています。
この石油会社では、これまで情報収集に90%の時間を費やしていましたが、MSN Virtual Earthを導入することで90%の時間を分析にかけることができるようになっています。これは大きな導入効果だと思います。
--企業の中には、マイクロソフトのテクノロジだけではなく、メインフレームやUNIX、Linuxなどさまざまなテクノロジが利用されています。こうしたWindows以外の環境にもマイクロソフトの検索プラットフォームは対応できるのですか。
Connell われわれの検索プラットフォームには、すでにいくつものインターフェースが組み込まれています。確かに、小規模向けの製品には、他社製プラットフォームへのインターフェースのないものもありますが、APIを提供していますので独自に開発することもできますし、我々から提供されるのを待ってもらうことも可能です。
マイクロソフトのスタンスとしては、できるだけ多くのインターフェースを提供し、できるだけオープンにやっていこうというものです。また、インターフェースだけでなく、検索エンジンやMSN Virtual Earth、Windowsデスクトップなど、さまざまな開発環境も提供しています。
--現在、インターネット検索エンジンとしては、Yahoo!、Googleに次ぐ3位のポジションという話しでしたが、エンタープライズ分野にはIBM、Oracleという競合もいます。この2社についてはどのように見ていますか。
Connell エンタープライズ向けの検索シナリオにおいて、IBMやOracleがどのようなことをしているのは、もちろん見ています。
マイクロソフトの強みは、まずエンタープライズ分野において25年以上の経験があり、コンシューマ分野では12年以上の経験を持っています。このような2つの経験は、IBMやOracleよりも優れていると思います。
--この市場でナンバーワンになるためには、今後マイクロソフトにとってどのような取り組みが必要でしょう。
Connell まずは、日本の顧客にフォーカスし、新しい技術を取り入れることで、検索プラットフォームを次の世代に押し上げていくことが重要です。特に、検索能力(Relevance)の強化では、今後の計画もきちんとできています。また日本市場では、モバイル分野でのリーダーシップを確立していく計画です。さらにエンタープライズ分野の強化により、必ずナンバーワンに慣れると思います。
--ナンバーワンになるのはいつ頃でしょう。
Connell ナンバーワンになるための投資は続けていきますが、いつまでにという目標は持っていません。
--“追いかける立場を楽しんでいる”と言えるのは、ナンバーワンになれるという自信の裏返しですか。
Connell 自信があるというのは言い過ぎですが、何事においても挑戦することには“ワクワク”します。コンシューマ向け、エンタープライズ向けのどの部分に課題があるかということを分析してみると、コンピュータサイエンスの世界であり、専門性の高い知識や能力が必要になります。この分野について、マイクロソフトは多くの人材を抱えていますので必ずうまくいくだろうと思っています。
--最後に日本のユーザーやパートナーにメッセージを……。
Connell 検索テクノロジは、まだまだ始まったばかりの分野です。これから先、やるべきことはたくさんあります。今後も検索テクノロジ分野におけるマイクロソフトの取り組みに期待してほしいと思っています。
Savoye 検索テクノロジは、難しいものであるがゆえに、期待も大きくなると思っています。その分野に貢献できるということは、非常に素晴らしいことだと思っています。