日本ユニシス、情報システム化アプローチ「3D-VE」を展開--「上流と下流の整合性を確保できる」

田中好伸(編集部) 2006年06月07日 22時50分

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 日本ユニシスは6月7日、4月に発表した情報システム化アプローチ「3D-Visible Enterprise」(3D-VE)の説明会を開催した。コンサルティングなどのサービスとして提供していくとしている。

 3D-VEはUnisysが社内向けに開発してきたものであり、企業が情報システムを構築する際の方法論(メソドロジ)やひな型を含む。日本ユニシスでは顧客に対して、ソフトなどの製品売りという形ではなく、コンサルティングなどのサービスとして提供していくとしている。

大塚仁司氏 「3D-VEは7〜8月中にある顧客向けに適用する予定」と語る大塚仁司氏

 3D-VEではまず、企業のビジネス活動構造を(1)経営層(ストラテジー層)、(2)販売や生産など実際のビジネスを実行している層(ビジネスプロセス層)、(3)ビジネスを支援する情報システム層(アプリケーション層)、(4)情報システムを実行している(インフラストラクチャ層)――の4つの層に区分して、企業全体の構造を体系的に分かりやすいモデルとして表現する。日本ユニシスの総合技術研究所でITソリューション部室長を務める大塚仁司氏は、「3D-VEの4層アーキテクチャを用いることで、企業全体を“見える化”できるようになる」と説明する。

 第1層のストラテジー層では、経営層の考え方や経営目標、組織構造などを企業戦略や企業状況を理解しやすいモデルで定義、第2層のビジネスプロセス層では、業務の機能や業務フローを経営の目標に合致するように定義する。第3層のアプリケーション層では、情報システムの分析、設計、実装などをモデリングし、第4層のインフラストラクチャ層で、ハードウェアやソフトウェア、ネットワークなどのIT基盤を定義する。第1層と第2層が、情報システムを使う側のビジネス部門と経営陣に、第3層と第4層が情報システム部門に対応する。

 たとえば、第2層で「出荷にかかる時間を短縮したい」という課題が出てきたときに、その課題に応えるために第3層と第4層の状況を変えるといった具合に、4層のアーキテクチャを利用することができる。

 3D-VEで使われるソフトウェアツールは、第1層と第2層では、米国のProformaが開発するモデリングソフトであるProvisionシリーズを利用して、XMLベースのビジネスプロセス記述言語であるBPEL(Business Process Execution Language)で業務モデルを作成する。第3層では、ソフト開発者向けソフトのRationalシリーズを利用して、UML(Unified Modeling Language)による情報システムのモデルを作成する。

 第2層と第3層の間には、ユニシスが独自に開発した「Transformer」と呼ばれるシステムで、モデル変換をする。なお、3D-VEに利用するProvisionとRationalには、「ユニシスが開発した機能が追加されている」(大塚氏)という。各階層でモデリングを行うことで、ビジネス部門と情報システム部門とのギャップを埋める可視化効果が発揮されることになる。

 また、3D-VEには第2層で作成されたビジネスプロセスと情報システムがもたらす機能を相互に参照できる「Impact Analysis」と呼ばれるシステムが用意される。このシステムを利用すれば、ビジネスが変化する際に情報システムがどんな影響が出るのか、もしくは情報システムの変化がビジネスにどんな影響を及ぼすのか分かるような仕組みが提供されることになる。

 第1層から第4層までは「Services and Solutions Delivery Framewok」と呼ばれるメソドロジと、第3層での「Rational Unified Process」あるいは「Unisys Rational Unified Process」といったメソドロジで上流・下流間の整合性を取る仕組みが確保されている。先に挙げたImpact Analysisも整合性を確保する機能を発揮することになる。

 また各層で作成された成果物(アーティファクト)には、ビジネス部門や情報システム部門の知識や経験、ノウハウが含まれ、またリポジトリに格納されることで、知的財産として共有・再利用することができる。日本ユニシスは「3D-VEは知財を活用できる新たなサービスとして展開できる」(大塚氏)としている。

 3D-VEの活用方法として(1)知財活用型システム開発の仕組み、(2)上流から下流への一貫性を実現する仕組み、(3)情報化基盤の装備・仕掛け――があると大塚氏は説明している。

 大塚氏は、3D-VEを展開する背景をこう説明する。

 「ユーザー企業では、情報システムを開発する際に、自社がしたいことをうまく表現できない、ビジネス部門と情報システム部門のギャップが拡大しているとの不満を抱いている。また、情報システムの中身がブラックボックス化している、システム構築が高コスト化しているとの不満も抱えている。3D-VEは、こうした不満を解消できるものと考えている」

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