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エンタープライズ2.0企業のソーシャルテキスト、MSの市場参入にもオープンソースで対抗 - (page 2)

藤本京子(編集部)

2006-06-08 20:52

--Socialtextはオープンソースコミュニティにも深く関わっているようですね。

 はい。WYSIWYG機能も、オープンソースのWYSIWYG.netにて公開しています。SocialtextのASP版も、オープンソースコミュニティ内での利用であれば無料で利用できます。

 ほかにも、オープンソースに関する動きとしては、2006年第3四半期にSocialtextのオープンソース版を提供する予定です。これまでSocialtextでは、QwikiというオープンソースWikiをベースとしたWikiライト版を過去3年に渡って提供していましたが、あまり利用されていませんでした。一方、商用のSocialtextは非常に伸びています。そこで、ライト版ではなく通常のSocialtextをオープンソースとして提供することにしました。オープンソースにすることで、テクニカルユーザーの利用が加速するだけでなく、コミュニティのサポートも得られます。製品の品質も向上するでしょう。

--日本に販売チャネルはあるのですか。また、日本で本格的に展開するとなると、ローカライゼーションも必要となりますが、ローカライゼーションはどうするのでしょう。

 今のところ販売パートナーはいませんが、今回の来日で何社か候補となる企業を訪ねました。また、すでに日本語もサポートしており、日本語表示もできますが、ヘルプページなどを含めたローカライゼーションについては、パートナーを通じて、またオープンソースコミュニティを通じて実現したいと思っています。われわれはオープンソースコミュニティに多くの貢献をしているので、コミュニティもそれに応える形でローカライゼーションに貢献してもらえるとありがたいですね。

--ところでSocialtextはWeb 2.0企業なのでしょうか。

 われわれは自分たちのことをEnterprise 2.0企業とみなしています。Web 2.0は、基本的にコンシューマーユーザーに向けたサービスをウェブで提供することを指します。一方Enterprise 2.0は、Web 2.0のようにユーザー参加型で何かを作り上げるという点は同じですが、ビジネス用途に使われるものを作っていくのです。Socialtextを起業した2002年は、Wikiやブログも一般的ではありませんでしたし、Web 2.0という言葉もありませんでしたが、Wikiやブログをコンシューマーとして使ってみて、これはエンタープライズ用途でも使えると感じたことから、ビジネスとして立ち上げることを決意したのです。

--Web 2.0企業の多くは、いまだ利益を上げることに苦労しているのが現状です。こうした企業をお金に変えるには、「大企業に買収されるしかないのでは?」という発言(※)もされましたよね。(※ このインタビューは、Mayfield氏がスピーカーとして参加した「New Industry Leaders Summit 2006 Spring」の会場にて行われた。)

 買収されるしかないというのは冗談ですが、利益を生む努力をしていない企業が多いのは事実です。Web 2.0企業になるのはそう難しいことではありません。技術的なバリアはそれほど高くありませんし、それほどコストがかかるわけでもありません。こうした企業の多くは、「友達とのコミュニケーションツールを作りたい」といった軽い気持ちでサービスを作り始め、その後自然とユーザーがついたので資金調達に至ったというケースが多いのです。

 実際シリコンバレーには、友人同士が集まってオープンソースで自分たちの好きなツールを作り、ビジネスモデルも考えないままサービスを開始し、買収してくれる企業を探すというベンチャーがたくさんいます。現在IPOの基準が非常に高くなっているので、その分M&A市場が活性化されていることも理由のひとつですが・・・M&Aと言っても、ほとんどがYahooやGoogleによるものですけどね。

--Socialtextは最初からビジネスモデルを考えていたわけですね。

 創業当時の2002年は、ビジネスモデルなしに起業するなどありえませんでしたし、生き残るためにはビジネスモデルが必要でした。当初5000ドルで会社を立ち上げ、創業者4人で半年間給料なしで働きました。半年後、エンジェルから15万ドルの資金援助を得ましたが、その時点ですでにSocialtextは利益を生み出していました。

 今起業するのであれば、状況は違っていたかもしれません。会社を立ち上げる前に投資家を見つけられるようなバブルが再び起こっていますからね。でも、われわれは厳しい環境下で起業したからこそ生き残るためのインセンティブも高かったので、逆に良かったと思っています。

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