日本BEAシステムズは6月14日、SIP(Session Initiation Protocol)対応の次世代通信サービス構築のためのアプリケーションサーバ「BEA WebLogic SIP Server 2.2J」および通信事業者がネットワークリソースをサービス提供者に開放する場合の共通エントリポイント「BEA WebLogic Network Gatekeeper 2.2」の出荷を、2006年6月15日より開始することを発表した。
今回、出荷が開始される2つの製品は、通信業界向けのインフラストラクチャソフトウェア「BEA WebLogic Communications Platform」を構成する製品。最新バージョンでは、IPマルチメディアサブシステム(IMS)に対応することで、ITシステムと通信システムを融合した次世代コミュニケーションサービスを実現するための共通プラットフォームを構築できる。
BEA WebLogic SIP Server 2.2Jは、BEA WebLogic Communications Platformの中核となるJava EE/SIP対応アプリケーションサーバ。ミッションクリティカルシステム構築のためのインフラとして数多くの実績を持つ「BEA WebLogic Server」に、SIPサーブレットコンテナを搭載することで、SIPメッセージにより既存のEJBアプリケーションを呼び出すことが可能。電話の機能とEJBアプリケーションを容易に融合できる。
最新バージョンでは、IMS、Java EE、SOA(サービス指向アーキテクチャ)およびイベント駆動型アーキテクチャ(EDA)など、業界標準の技術を積極的にサポート。そのほか、3GPP ISCやIETF Diameterなどもサポートしている。また、高い可用性と高速なシステムの復旧を実現するクラスタリング機能も強化されている。
一方、BEA WebLogic Network Gatekeeper 2.2は、ポリシーベースのネットワークトラフィック管理やテレコムWebサービス、サードパーティ/パートナーリレーションシップ管理などの各機能を搭載した業界標準ベースのキャリアグレードプラットフォーム製品。強化されたSLA管理/QoS管理、トラフィック制御によるネットワーククオリティの向上、トラフィックのルーティングやスロットリング、各種インターフェースの提供などの特長を持つ。日本市場向けには初めて投入される製品となる。
BEA WebLogic Communications Platform最新版の提供にあたり日本BEAでは、「ストラテジック・ソリューション・プログラム」をスタートする。このプログラムは、SIP/IMS関連製品の開発、販売、システム構築などを行う企業を募集するもの。同プログラムに参加することでパートナー企業は、商品情報を得ることができるほか、イベント/ウェブ環境などを通じた共同プロモーション、販売支援、海外展開への支援などのメリットを得ることができる。
なお、2006年6月15日より、日本BEAのウェブサイトでBEA WebLogic SIP Server 2.2Jの評価版をの無償でダウンロードできるほか、dev2devのサイトでは「BEA WebLogic SIP Server 2.2J開発者向け簡単操作ガイド」の提供を予定している。
価格は、BEA WebLogic SIP Server 2.2Jが1時間に5万トランザクション以下の最小構成で690万円より、BEA WebLogic Network Gatekeeper 2.2は1秒間に25トランザクションで1トランザクションあたり290万円よりとなる。