IDC Japanは7月11日、2005年の国内セキュリティソフトウェア市場および2005〜2010年までの市場予測を発表した。発表によると、国内セキュリティ市場は2003年から2005年にかけて、ソフトウェア、アプライアンス、サービスそれぞれの市場において急成長した。この背景には、企業のセキュリティ意識の向上があるとしている。
2005年の国内セキュリティ市場は、セキュリティソフトウェア市場が前年比21.9%増の1324億円、セキュリティアプライアンス市場が前年比28.0%増の260億円、セキュリティサービス市場が前年比15.2%増の4172億円の市場規模となった。いずれの市場も前年に引き続き急成長しており、頻発する情報漏洩事件や個人情報保護法の施行、日本版SOX法の発表などにより、企業が情報セキュリティ対策を強化する傾向にあることが反映されている。
ファイアウォール、侵入検知やアンチウィルス機能をまとめて搭載した統合型アプライアンスの市場が特に拡大しており、主要製品が低価格帯に集中していることから、今後も中小企業向けのセキュリティソリューションとして急速に普及する可能性が高いとしている。一方、セキュリティソフトウェア市場も21.9%の伸びとなっているが、長期的にはアプライアンスやサービスに移行していくと見られ、今後の伸びは緩やかになると見ている。
セキュリティサービス市場では、大企業のセキュアシステム構築は2004年と2005年に大規模な投資がなされており、今後は中堅、中小企業の投資が増加すると見ている。また、運用管理には専門技術者と運用担当者を確保する必要があるため、企業規模に関わらずアウトソーシングを利用する傾向が強くなるとしている。
これらの状況を踏まえ、IDC Japanでは2005年から2010年までの年間平均成長率は、セキュリティソフトウェア市場が11.2%、セキュリティアプライアンス市場が15.2%、セキュリティサービス市場が16.6%になると予測している。また、その内訳は大企業から中堅、中小企業の割合が多くなると見ている。