では、実際にファイルサーバのILM環境を、効果的に実現するための手順を説明します。
1. 現状の把握
ファイルを評価するアセスメントツールを使用して、ファイルの種類別、時間(作成日時、最終変更日時、最終アクセス日時)別、サイズ別、所有者別などのファイルの分布状態を把握します(図2)。
アセスメントツールには、特定のフォルダの中を検索するのみの簡単なツールから、全社規模のファイルサーバを検索して情報を集めるようなツールまでさまざまなものがあります。
ファイルサーバの使用状態を定期的に調査しておくと、今後の増加傾向などを予測できます。より客観的な分析結果やアドバイスを得るためには、専門家のファイルサーバアセスメントサービス(使用状況を検査するサービス)を利用すると便利です。
2. 移行計画の立案
1.で入手したデータを分析し、今後の増加予測などを加味してデータを再配置することにより、どの程度の効果が期待できるかシミュレーションします。この時点で、一次、二次ストレージの容量の見積もりや、使用するソフトウェア、どのようなポリシーで再配置するかを決定します。
ポリシー作成時に設定できる以下の項目を組み合わせてポリシーを設定するのが一般的です。
- 対象のフォルダ(ディレクトリ)名
- ファイルの拡張子(xxx.doc、xxx.pdfなど)
- ファイルのサイズ
- ファイルの日時(作成日時、最終変更日時、最終アクセス日時)
3. システムを構築
実際にILM対応のソフトウェアや二次ストレージをインストレーションし、ポリシーを設定、再配置を行います。以降、週単位や月単位で定期的に再配置を行います。年1回程度は、状況の把握の為にファイルサーバのアセスメントを行い、必要に応じてポリシーの見直しを行います。