日本アイ・ビー・エム(日本IBM)とダッソー・システムズは7月19日、加治金属工業がダッソー・システムズのPLMソリューション「CATIA V5」を採用したことを発表した。
加治金属は、取引先や関係企業においてCATIA V5への移行が進んでいることを踏まえ、2003年12月にCATIA V5のハイブリッド・デザイン2を導入。治具設計へのCATIA V5の活用をはじめ、取引先とのCATIA V5によるデータ連携を強化してきた。続いて、高速・高精度な5軸NC加工のためのCAM(Computer Aided Manufacuturing、製造作業をコンピュータによって支援すること)システムである「CATIA アドバンス・マシニング2(AMG)」を導入。同時5軸加工を効率化し、5軸のNCデータ作成における生産性が従来の約4倍に向上したという。
CATIA V5の採用にあたっては、NCデータ作成とモデリングを直接的に連携できることや、設計から組立まで一貫生産体制を取る同社の方針に合致したこと、部品構造や加工形状に思い通りに対応できる柔軟性や拡張性を評価した。
2004年9月から、加治金属は治具設計と加工形状のモデリングを統合し、実際の加工状態を表現する「バーチャルマシニング」で、加工の経過を再現しながらCAM作業を行うなど、CATIA V5を活用した5軸NCデータ作成開始している。結果、導入してから約20カ月でのべ200アイテムを超えるNCプログラムを作成し、従来の手書きスケッチによる手法での工数に比べて工数を3分の1にすることに成功した。生産性の4倍という数字は、製品の複雑化を考慮に入れたものだ。
今後、加治金属では、CATIA V5の特徴であるナレッジウエア機能やパワーコピーなどを活用した設計の自動化を推進し、さらなる生産リードタイムの短縮に注力していく予定という。