NECは7月26日、携帯電話やデジタル家電、車載情報システムなどにおいて、初期搭載されている基本機能用ソフトの動作に支障を与えずアプリケーションソフトの追加を可能とする並列プロセッサ仮想化技術を発表した。NECでは、この技術を利用すると「端末機器上で多様なアプリケーションソフトを柔軟に、かつ安全に追加できる」としている。
この仮想化技術は、NECの組み込みシステム向け並列プロセッサ技術をベースに開発した。アプリケーションを追加する際には、端末に初期搭載されている基本機能ソフトとアプリケーションのソフトにそれぞれ異なるプロセッサを割り当て、物理的に分離する。さらに、各プロセッサに割り当てた複数の追加アプリケーションを種類ごとに仮想プロセッサへ分ける。これにより、追加アプリケーション間の干渉をなくせるという。
プロセッサの仮想化はハード的に処理しており、ソフトのみで仮想プロセッサを実現する従来の手法に比べ、追加アプリケーション間の切り替え時間を約2分の1に短縮できた。また、仮想プロセッサ間の通信やメモリアクセスをハードで監視することで、高い安全性を確保した。
なお、NECは、カリフォルニア州サンフランシスコで開催中(米国時間7月24日から28日)のDesign Automation Conference(DAC)2006で、この並列プロセッサ仮想化技術の発表を26日に行う予定だ。