日本版SOX法(金融商品取引法)の可決に伴い、日本企業のコンプライアンス、ITガバナンスに対する意識は高まりを見せている。電子データとして流通し、保存される情報が加速度的に増加している現在のビジネス環境において、そのデータの保管庫であるストレージシステムの果たす役割は、ますます重要度を増していると言えるだろう。企業に対してコンプライアンス、およびITガバナンスが厳しく求められる現状で、ストレージマネジメントに求められる要件は何なのか。日本CA、アジア太平洋・日本地域ストレージセールスディレクターの佐藤正尚氏に話を聞いた。
--日本版SOX法をはじめとする法制への対応について、CA全体ではどのようなアプローチをとっていますか。
CAでは、「Enterprise IT Management(EITM)」というアーキテクチャに基づき、これまでポイントソリューションとして提供されてきた多様なシステムを統合していこうという戦略をとっています。
CAの場合は、ITILに準じたアプローチを用いており、ストレージマネジメントに加え、セキュリティ、エンタープライズシステム管理、ビジネスサービスオプティマイゼーションの4つの分野において、リスク管理、コスト管理、サービスの向上、連携の最適化といった目標を達成していくのが全体でのビジョンとなります。もちろん、これらの4つの分野すべてで、いわゆるITガバナンス、コンプライアンスの実現は、重要なテーマとなっています。
EITMにおける統合のメソッドは標準的なSOAベースのもので、CA製品間だけでなく、他社製のソフトウェア、ハードウェア、ソリューションも含めたシステム統合をうたっています。他社製品も含めた形での統合管理を中心的なメッセージとして発信できるのは、CAのユニークなところではないでしょうか。
--4つの柱となる分野の中でも、特にストレージマネジメントの分野において、CAでは「インテリジェントストレージマネジメント」というコンセプトを提唱していますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
インテリジェントストレージマネジメントとは、端的に言えば、ビジネスの目的をサポートするために、情報、データ、ストレージ資源を、コストを削減しつつ効率よく「管理」「保護」「統合」するための戦略になります。IT環境の運用効率化はもとより、運用上発生しうるリスクの管理とビジネス継続性の維持、充実したセキュリティ対策の実現を目指すものです。
リソースマネジメントやコマンドセンターに代表されるような管理機能、メールアーカイブを補完するようなバックアップとアーカイブのソリューション、ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)といった、これまでポイントソリューションとして提供されていたコンポーネントを統合することによって、よりインテリジェントなマネジメントを提供できます。