日本ユニシスと大日本印刷(DNP)は8月7日、社員証ICカードなどを利用した企業向けセキュリティシステムを共同開発し、8月21日から販売開始すると発表した。今後、金融商品取引法(日本版SOX法)対応を目指す企業に向ける。
このセキュリティシステムでは、システム管理者がウェブブラウザからサーバにアクセスし、利用者のアクセス権限の登録、ICカード紛失時の失効処理、組織変更や人事異動に伴う権限の変更を行える。利用者やパソコンごとに異なるセキュリティポリシーを設定可能。またICカードごとに、ログオン、スクリーンロック、ファイル操作、ウェブブラウザの閲覧履歴などの記録を管理できる。
開発にあたっては、ICカード関連規格の共通化を進める企業連合「SSFC」と連携した。SSFC加盟企業の入退室管理システムなどと組み合わせることで、ノートパソコンの持ち出し利用などを制限できるという。このほか公開鍵基盤(PKI)による電子証明書や秘密鍵を用いたSSL認証、Active Directory認証、メール暗号化、電子署名添付、IEEE802.1x準拠の無線LAN認証などのセキュリティ機能を備える。
対応OSは、サーバ側がWindows Server 2003、クライアント側がWindows 2000 Pro SP4/XP Pro SP1以上。対応ICカードは「FeliCa」、「Java Card」、「MULTOS」。SSFC加盟企業の製品と連携するのはFeliCaを利用した場合のみ。
日本ユニシスがサーバ部分、DNPがクライアント部分の開発を担当した。日本ユニシスは、開発したシステムを「IDAgent」の製品名で販売し、DNPは「TranC'ertエンタープライズ」としてOEM提供する。両社では今後3年間に、ソフトウェアライセンスで8億円、ICカード、リーダライタなど関連機器販売/サービスで12億円の売り上げを目指す。