「スパイウェア対策は“ベスト・オブ・ブリード”でなければならない」--ウェブルートCEO - (page 2)

柴田克己(編集部)

2006-08-11 15:32

−−今回発売された企業向け製品は、クライアントベースのソリューションをサーバ側で統合管理する製品とのことですが、統合セキュリティベンダーは、サーバレベルでアクセス制御を行うフィルタリングソリューションなどを提供しています。Webrootも同じような方向性を目指しているのですか。

 異なる会社は、異なる方法で問題を解決しようと考えています。システムセキュリティは複数のレイヤで考えるものですが、スパイウェアに関しては、エンドポイントであるデスクトップでの対策が一番重要です。実際にシステム内に侵入してしまったスパイウェアを最終的に駆除できる場所はデスクトップだからです。システム管理者の中には、デスクトップで動作するエージェントをあまり増やしたくないという考えも根強く、今後は、ミドルレイヤでスパイウェアを処理するケースも増えるかもしれません。ただし、エンドポイントであるデスクトップでの対策が重要であることには変わりありません。

 ちなみに、Webrootでは6月にゲートウェイ向けのソリューションを発表しています。これはゲートウェイアプライアンスへのOEMの形で提供されるものです。現在、日本でもパートナーを探している段階です。

−−マイクロソフトは、Windows Vistaで無償のスパイウェア対策ソフトである「Windows Defender」を標準搭載すると発表しています。このことは、Webrootのビジネスに大きな影響を与えると思いますか。

 そうは思っていません。スパイウェア対策ソリューションは「ベスト・オブ・ブリード」でなければならないからです。機能の劣る無償の対策ソフトだけを使ってセキュリティを確保しようとするのは、防犯のために、家のドアにだけカギをかけ、窓を開けっ放しにするのと同じことです。特に、個人情報についての被害に遭う恐れがあるとすれば、ユーザーも慎重にならなければいけません。

 Vistaの発売以降もわれわれのビジネスは、過去数年間と同様、もしくはそれ以上の成長を遂げるでしょう。全世界規模で企業にまで展開を広げることで、われわれのビジネスの成長率は、セキュリティ市場全体の成長率を超えるものになるはずです。

 過去においても、無償で機能的に劣ったものよりも有償で機能的に優れたもののほうが生き残る例は多くありました。Intuitなどは、その好例でしょう。われわれは、マイクロソフトよりも優位に立つために、彼らよりも格段に優れた製品を提供し、より迅速に行動し、ソリューションの効果を高めていきます。

−−Windows Vistaのセキュリティセンターでの管理に、Webroot製品は対応するのですか。

 それは可能です。ただ、マイクロソフトのセキュリティへの取り組みに対する、セキュリティベンダーの意見はさまざまで、状況は流動的といえるでしょう。

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