「スパイウェア対策は“ベスト・オブ・ブリード”でなければならない」--ウェブルートCEO - (page 3)

柴田克己(編集部)

2006-08-11 15:32

−−現状、スパイウェアの定義については、セキュリティベンダー間でも違いがあり、そのことが訴訟問題を引き起こしたり、同じセキュリティベンダー間での告発のし合いといった状況を招いています。このような状況はユーザーにとって何のメリットもないと思いますが、そうした問題を解決するために、どのような取り組みが行われていますか。

 この状況を招いた大きな原因としては、ベンダーに先行する形で、ユーザーがスパイウェアの定義を行ってきたことがあると思います。そのため、定義がバラバラになってしまったのです。現在、北米では業界の協業によって一貫した定義を行うための作業が、Anti-Spyware Coalition(ASC)という組織で進められています。ただし、現時点でも、「ユーザーへの説明や同意を行わない」「情報を勝手に送信する」など、どのような動作をするものがスパイウェアかという認識についてはベンダー間で共通している部分も多いのです。

−−ASCでスパイウェアの定義を進めるプロセスは、どのようなベンダーにとっても公平なものですか。

 公正なものだと考えています。議論はオープンに行われており、ベンダーコミュニティに属するだれもが参加できます。業界として、そのプロセスをコントロールする形で議論を進めています。ある特定のベンダーの意見が色濃く反映されるようなものではありません。われわれは、そのプロセスに参加させてもらっていることを誇りに思っています。また、このプロセスには業界全体でかかわっていく必要があると考えています。

−−Webrootの今後の戦略について教えてください。

 今後1年の間に、われわれはスパイウェア対策製品だけではなく、セキュリティの他の領域にも参入することを検討しています。現時点では「ソリューションを拡大する」ということしか言えませんが、われわれのコアとなる能力を生かしつつ、新たな能力を追加するという方向性です。スパイウェア対策に関して大きな差別化要因を持ちながら、他の領域にも参入することで、Webrootは他社と一線を画すユニークな存在になれると思っています。

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