Actuateは8月21日〜23日の3日間、マサチューセッツ州ボストンのホテルにおいて同社のユーザーカンファレンス「2006 Actuate International User Conference」を開催。米国をはじめ、日本、カナダ、英国、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、イスラエル、韓国などから約300名が来場した。
2006年6月に、同社のフラグシップ製品の最新版「Actuate 9」を発表したばかりのActuateは2006年上半期の売り上げが6150万ドルで、成長率は約30%で推移している。この好調な業績を支えているのが「ソリューションとオープンソースにフォーカスする」という同社の戦略だ。
Actuateの社長兼最高経営責任者(CEO)であるPete Cittadini氏は、「ソリューション戦略では、3500以上の顧客を対象にリアルタイムのパフォーマンスマネージメントアプリケーションやカスタマーインタラクションアプリケーションを提供する。そのベースとなるのがオープンソース戦略で、260万人以上いると言われるEclipse開発者にActuateの有効性を訴求していく」と話す。
具体的には、オープンソースの統合開発環境であるEclipseをベースにしたレポート開発環境「BIRT(バート)」(Business Intelligence and Reporting Tools)のオープンソースプロジェクトを指している。BIRTは2006年第2四半期だけで、約11万5000件がダウンロードされたという。
Actuateの戦略が優れているのは、オープンソースとして無償で提供されるBIRTによるレポーティング機能が気に入った場合、BIRTを搭載し、レポーティングサーバである「Actuate 9 iServer」やポートレットの業界標準であるJSR168をサポートしたポータル環境を実現する「iPortal」、Ajaxの実装によるアドホックなウェブレポーティングを実現する「BusinessReports」、エンドユーザー向けのレポートカスタマイズ環境である「Interactive Viewing」などで構成される商用のエンタープライズ向けレポーティングプラットフォーム製品「Actuate 9」に容易に移行することが可能なことだ。
Actuate 9ではiServer上で開発者向けのBIRT、パワーユーザー向けのBusinessReport、カジュアルユーザー向けのInteractive Viewingをそれぞれ使い分けることで、あらゆるユーザーのレポーティングへの要求に応えられる仕組みを提供することが可能。同社では、このテクノロジを、「コラボレイティブ・レポーティング・アーキテクチャ」と呼んでいる。
「Actuate 9により、BIRTによるごく小規模なBIソリューションから、iPortalやBusinessReportsを活用したワークグループレベル、そしてパフォーマンスマネージメントソリューションであるPerformancesoftなどを利用することで、大規模エンタープライズクラスのBIソリューションまで、ひとつのプラットフォームで実現することができる」(Cittadini氏)
Performancesoftは、Actuateが2006年1月に買収したPerformancesoftのテクノロジをActuateの製品として統合したパフォーマンスマネージメントスイート製品。ダッシュボードやスコアカードなどにより、組織のパフォーマンスを可視化する「Performancesoft Views」および部門のサイロ化や組織のアクティビティを監視する「Performancesoft Track」の2つのコンポーネントで構成されている。同製品は、すでに500社以上の顧客で採用されているという。
「パフォーマンスマネージメントは、ビジネスプロセスやビジネスのパフォーマンスを管理し、コントロールすることで、企業戦略のアクティビティを向上させることができる点が評価されている、今後さらに成長が期待できるソリューションだ」とCittadini氏は言う。IT専門調査であるIDCの調査では、パフォーマンスマネージメント市場は2008年に21億ドル市場に拡大すると報告されている。
Cittadini氏は、「我々は今後も、組み込み型のレポーティング製品やワークグループ向けのレポーティング製品、エンタープライズレポーティング製品、パフォーマンスマネージメント製品など、さまざまな分野での革新を続けていく。このような取り組みにより、長期にわたり顧客企業のニーズに応え、成功をもたらすソリューションを提供し続けることを約束する」と話している。