F5ネットワークスジャパンは9月6日、エンドユーザー向けとしては同社として初めての開催となるカンファレンス「F5 Customer Conference」を、秋葉原コンベンションホール(東京都千代田区)で開催した。
F5 Customer Conferenceのテーマは、「お客様とF5が“出会い、ふれあい、語り合う”1日」。このテーマに基づき、F5とエンドユーザーが直接コミュニケーションし、最新情報の共有とユーザー同士の情報交換の場を提供することで、顧客のビジネス基盤を強化してもらうこと目指している。

オープニングのステージに登場したF5ネットワークスジャパンの代表取締役社長、長崎忠雄氏は、「社長就任当時から、顧客の視点に立ち、顧客にとっての価値を高める経営を実践することをスローガンにしてきた。顧客の抱えている問題は何か、顧客の求める価値は何か、F5に価値を感じてもらっているかは非常に重要だ」と話す。
こうした日本市場での取り組みにより同社は、2005年のF5全社の売り上げ2億8100万ドルのうち、14%を日本市場から売り上げているという。長崎氏は、「売り上げ全体の2桁のシェアを持っている外資系企業の日本法人はそれほど多くはない」と胸を張る。
そのF5が今後さらにビジネスを拡大していくために取り組んでいるのが「アプリケーション・デリバリ・ネットワーキング」の実現だ。アプリケーション・デリバリ・ネットワーキングは、企業システムにおける“ネットワーク”と“アプリケーション”の間に発生するギャップを解消することを目指している。
「ネットワーク機器が提供しない、アプリケーションにも搭載されていない不足部分を保管することで、システム全体の信頼性を向上できる。また、個別に対応していた対策をひとつのソリューションとして統合することで、システム全体のコストを削減し、アプリケーションへの投資を最大限に活用することができる」(長崎氏)
このアプリケーション・デリバリ・ネットワーキングの実現方法について長崎氏は、「“安全性”“高速化”“安定感”の三位一体」と言う。同氏は、「確かなセキュリティにより、アプリケーション・デリバリの安全性を保証し、ネットワークの最適化によりアプリケーション・デリバリの高速化を実現する。これにより、ビジネスの継続性を実現する絶対的な安定感を提供できる」と話している。
具体的には、安全性の分野でSSL VPN製品である「FirePass」やTrafficShieldと呼ばれていたファイアウォール製品の「BIG-IP ASM」を、高速化の分野でWANアプリケーション最適化/高速化製品の「WANJet」を、安定感の分野でアプリケーショントラフィック管理製品の「BIG-IP」などを提供する。
長崎氏は、「アプリケーション・デリバリ・ネットワーキングを実現するために必要な製品を総合的に提供できるのはF5だけだ。また、我々は、この分野で多くの経験や実績、そしてノウハウを持っている」とF5の優位性を強調した。