インテル、プロセッサの新技術「T's」を語る

笠原一輝 2006年09月29日 12時08分

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 世界最大の半導体メーカーIntelは、マイクロプロセッサの開発方針を徐々に変えつつある。以前のようなクロックをがむしゃらにあげることで性能を上げていくという方針から、マイクロプロセッサに新しい機能を追加することで付加価値を高める方針に徐々に舵を切ってきているのだ。企業ユーザーにとって依然として性能が重要な要素を占めているのは言うまでもないが、それ以外にも省電力、効率性、セキュリティなどの機能が、マイクロプロセッサの新しい評価基準として定着しつつある。

 そうした新しい付加価値を、Intelは「T's」という用語で表現している。T'sとは「複数のテクノロジ」という意味で、仮想化技術の「Virtualization Technology(VT)」、セキュリティ技術の「LaGrande Technology(LT)」、管理技術の「Active Management Technology(AMT)」などの新しくマイクロプロセッサやその周辺チップであるチップセットなどに採用された機能のことを指している。なかでも、VTは安価にサーバの処理能力を向上させる技術として大きな注目を集めつつあり、Intelとしても積極的にアピールしている。

 Intelは企業向けプラットフォームに「vPro」という新ブランド名を導入することをすでに明らかにしている。そのvProを支える基本技術要素となるがT'sだ。vProですでにサポートする技術はAMTとVTの2つだ。

 AMTはクライアント管理を容易にする機能で、IT部門の管理者がクライアントPCをリモート管理できるようになる。こうした機能は、すでに一部のPCベンダで導入されていたが、今後はvProに対応したPCを導入すれば、PCブランドに関係なくAMTの機能を利用できるというメリットがある。

 仮想化技術のVTは、1台のPCで複数のOSが走る状況をハードウェアレベルでも支援する。仮想化技術そのものは珍しいものではなく、VMWareの「VMWare Server」やMicrosoftの「Virtual Server 2005」などがすでにリリースされている。最近ではこれらの仮想化ソフトウェアが無償配布されていることもあり、多くの企業で導入が進んでいる。IntelのVTを利用すると、これらの仮想化ソフトウェアの性能が向上する。また、現在の仮想化ソフトウェアはOSの上でOSを動かす仕組みになっているが、近い将来にはハイパーバイザーと呼ばれる特殊なソフトウェアの上で、複数のOSが動く仕組みも検討されており、最近では「Xen」と呼ばれるオープンソースのハイパーバイザーが大きな注目を集めているほか、MicrosoftもWindows用のハイパーバイザーを開発している。

 VTに対する注目度は年々上がっており、現在はCPUのアクセラレーションのみとなっているVTの機能も、チップセット側へと拡張され、メモリやハードディスクといった周辺部分のハードウェアアシスト機能(VT-d:Virtualization Technology for Directed I/O)も実現される見通しになっている。今回はそうしたVTの現状について、Intel デジタルエンタープライズ事業本部 マーケティングディレクターのLorie Wigle氏に話を聞いた。

--VTに代表される仮想化技術の現状について教えてください。

 調査会社のForrester Researchによれば、エンタープライズ市場における仮想化技術の認知度は75%に達しています。そのうち34%は自社のサーバなどにすでに仮想化技術を実装しており、特に大企業では46%に達しています。中小企業では25%とこれからですが、企業の仮想化技術への興味は非常に強く、今後急速に普及が進むと考えています。

Lorie Wigle氏 Intel デジタルエンタープライズ事業本部 マーケティングディレクターのLorie Wigle氏

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