今回取り上げているのは、ある技術者から寄せられた、無能としか思えない同僚技術者にどう対処するべきかという相談だ。今回登場した無能な同僚は、その無能ぶりにもかかわらず、マネジメントを完全に丸め込んでしまっている。米TechRepublicのメンバーからは、いつものように創造的なアドバイス、同情、経験談がたくさん寄せられた。現実的な提案を寄せてくれた多くのメンバーは、悩める技術者による状況評価を受け入れた人々と受け入れなかった人々に大別された。前者、すなわち悩める技術者に同情的なメンバーはさらに2つに分かれた。状況を改善するための建設的な提案をしてくれた人々と、サボタージュしたり困惑させたりするなど、とにかく何らかの方法によって無能な同僚を追い出す方がより適切であると考えた人々である。何人かのメンバーは実際に、無能な同僚が職責を果たせていないということをマネジメントに気づかせ、適切な対処をしてもらえることを願って、その技術者に誤った情報を与えることを提案した。
現実的な戦略
より建設的な提案としては、以下のようなものが寄せられた。
- 文書化、文書化、文書化だ。サポートチームのメンバー全員に対して、無能な技術者とのすべてのやり取りを文書として残すよう奨励する。これは、その技術者に直接対峙する場合にも、マネジメント層に対して裏づけのある申し立てを行う場合にも役立つ
- 無能な技術者を巻き込むいかなる行動も取らない。その代わりに、自分自身とマネジメントとの関係を良くすることに注力する
- サポートチームを再編成し、問題となっている技術者の長所(人と話す能力)を活かすようにするとともに、短所(難しい技術問題への対処)を抑制するようにする。これは、チーム全体とユーザーの双方にとって利益となる
- 人事部門と協力し、問題解決のための戦略を立てる。すべてのチームメンバーに対して、果たすべき職責と、中核となる能力を明確に定義する。訓練計画を立て、特定の日までに達成する必要のある目標を設定する
- 問題となっている技術者の昇進を後押しできることは何でも行う。彼はマネジメントとしての潜在能力を持っていることがはっきりしているため、それを利用して彼のサポートチームからの離脱を早める
注意深くことを進める
何人かのメンバーは、マネジメントとの関係を損なうおそれのあるいかなる行動も取らないよう警告する意見を寄せてくれた。Locooper氏は「この技術者はおそらくマネジメントが欲するスキルを持っているので、慎重に対処すべきだ。マネジメントが欲しているのは、まずコミュニケーションスキル、次に分析スキル、そして最後に技術スキルなのだ。現実を受け入れる必要がある。ものごとはこんなふうに進んでいくものなのだ。マネジメントが送っているメッセージは明確だ。この技術者はあなたの次の上司となるかもしれない!」という意見だった。この意見を一歩進めたものとして、mohammedahmed1966氏は「この技術者は、旧来の悪いソフトウェアやプロセスを駆逐するための変化や改革、あるいは完全な転換をもたらす人物として、上級マネジメントに雇われたのかもしれない」という可能性を提示してくれた。もしも彼の示した可能性が現実の話であるというならば、サポートチームがこの技術者に不満を抱かせるような行動に出ることは、チームにとって不利である。