富士通とSAPは10月5日、従来からのプラットフォーム分野での協業に加え、サービス分野での協業を強化すると発表した。
両社のパートナーシップは1972年のSAP創業時にまでさかのぼるが、プラットフォーム分野での協業は2000年12月に始まり、以来富士通はSAPソリューション向けのプラットフォームを提供、2004年6月にはSAPソリューション向けの統合プラットフォーム「FlexFrame for mySAP Business Suite」の提供も開始した。2006年5月には、SOAに対応した富士通のミドルウェア「Interstage」とSAPの「SAP NetWeaver」の接続検証を開始し、今回のサービス分野での協業に至った。
全世界に1000社以上のパートナーを持つSAPだが、SAP Asia Pacific プレジデント兼CEOのHans-Peter Klaey氏によると、グローバルサービスパートナーという位置づけになっているのは現在14社のみ。国内ベンダーとしては富士通が初となる。
富士通の代表取締役副社長 伊東千秋氏は、「これまで富士通は、SAPのグローバルテクノロジパートナーとしてプラットフォームの高信頼化を推進しつつ、顧客のビジネス価値の向上に貢献してきた。今後はグローバルサービスパートナーとしてサービス面での強化を図り、コンサルティング、SIからプラットフォームまで、SAP導入を支援するソリューションを提供する」と述べている。
サービス分野での取り組みとして、富士通は2008年末までに全世界でSAPコンサルタントを約2500人体制に拡充するほか、SAPでは本社がある独ワルドルフの「Global Fujitsu SAP Competence Center」にサービス部門を新設する。こうした体制強化をもとに、セールスおよびマーケティング活動を共同で行うほか、業種別のセールスアプローチやグローバル企業への拡販、グローバルレベルでのアウトソーシングサービスの提供など、両社で共同拡販プログラムを策定する。
富士通は、2009年度までに海外での売上比率を全体の50%以上にするとの目標を立てており、伊東氏は「SAPとの戦略的提携はこの目標を達成するために必要不可欠」としている。一方のSAPも、現在の顧客数3万5000社を2010年には10万社にまで成長させる計画で、「今回の協業が市場拡大に重要な役割を果たす」(Klaey氏)としている。
Klaey氏は、富士通のコーポレートメッセージである「The Possibilities are Infinite」(可能性は無限大)という言葉を引用し、「今回の協業にもInfinite Opportunity(無限のチャンス)がある」と述べた。