今回は、転職先を探すために会社のリソースを使用することには道義的な問題があるのではないかと心配しているメンバーのケースを紹介している。大半のITプロフェッショナルが時間のやりくりに苦労している(長時間働きつつ、家族と過ごすための時間も確保している)ことを考えれば、これはわれわれの大半がそのキャリアにおいて一度は直面する問題である。
「転職活動は私的な時間で行うべき」という意見が大半を占める
相談者からの質問に対して寄せられた意見のほとんどは、状況によって答えが異なってくることもあると認めつつも、転職活動を成功させるために会社のリソースを使用することには概して反対であった。メンバーのJim Huggy氏は「解雇が決まっているか特別な許可を得ている場合にのみ、道義的に問題とはならない」という意見を寄せてくれた。Tim Walsh氏は「特別な許可」というコンセプトを説明するために、「『転職活動』や、会社のリソースを事業目的以外で使用することに関して会社としてのポリシーが存在する」かどうかを考慮に入れておくべきだという意見を寄せてくれた。
他のメンバーは、会社のリソースを使用するという問題と、転職先を探しているということを上司に秘密にしておくことに関する倫理観を区別しようとしている。メンバーであるtilsharic氏は、現在勤めている会社に対して、転職活動を行っていることを告げずにいるのはよくないと思っている。同氏は「もしもわたしが誰かを面接しているとして、その人物が現在勤めている会社からの推薦状を持ってきていなかったら、その理由を知りたいと思うだろう」としたうえで「彼がわたしの会社で転職先を探し始めて、(急に退職すると言って)わたしを途方に暮れさせるのはいつ頃になるだろうかと考えてしまう」と書いてくれた。
メンバーのserw氏は、tilsharic氏の意見とは逆に、自分にとって「転職計画を秘密にしておくのは当然だ」という意見である。serw氏の意見には大半が同意し、理想的な環境であれば転職活動についてまったく隠しておく必要はないかもしれないが、皆がそういった転職に協力的でオープンな環境で働く機会に恵まれているわけではないという主旨の意見を寄せてくれた。何人かのメンバーは、こういった状況にあって転職活動を秘密にしておくための方策として、以下のようなことを挙げてくれた。
- 昼食時間や休憩時間を利用する
- 個人の電子メールアカウントからメールを送信する
- 会社のコピー機を使うのではなく、出力サービスセンターに行ってコピーをとる
- 個人的な理由で平日に仕事場を離れる習慣をつけておく
- 私用外出の必要がある時には、それが転職活動のためではない場合であっても、上司には理由を説明しない。理由を普段から説明していると、転職活動のために仕事場を離れる必要があるときに嘘をつかなくてはいけなくなる