--IPOの予定はないのですか。
会社の売り上げや成長率だけ見れば、すでに十分IPOできるレベルに来ていると思います。しかし、ここ2〜3年のIT市場を見てみると、IPOするだけの価値が得られるとは思えない状況でした。
一方、競合企業は公開企業なので、さまざまな情報にアクセスできる面で有利です。買収したAvocentは公開企業なので、今のところは我々がIPOするよりAvocentの一部となる方が有利と思っています。
--企業買収における考え方を聞かせてください。
実は、競合企業のいくつかから買収合併の話しがありました。しかし、それらの企業の製品は、我々の製品と重複している機能が多く、一緒になっても良い効果を生み出すことが期待できませんでした。
2006年4月に買収したAvocentは、データセンターや企業の支社、中小規模の企業などに対して“always-on”のIT基盤管理ソリューションを提供しています。このAvocentの製品とLANDeskの製品の機能には重複部分がなく、組み合わせることでお互いの機能を生かすことが可能であることから買収を決めたのです。
--現状でIntelとの協力関係はあるのでしょうか。
2002年にIntelから独立したとき、Intelは出資会社のひとつでした。独立前は、Intelのひとつの事業部だったので非常に小さな組織にすぎませんでした。小さな組織とはいえIntelにとって重要なビジネスのひとつに違いはありませんでした。
独立後は会社と会社の協力関係になったので関係はより強くなっています。特に、IntelはLANDeskのユーザー企業の1社であり、我々の大きなビジネスのひとつになっています。
また、IntelとLANDeskは、デスクトップからサーバまでの管理ソリューションにおいて同じ方向性を持っています。ですから、次世代のソリューションについても協力しながら開発していくことが可能です。
現在でも、Intelのサーバ製品には、LANDeskの管理ソリューションがOEM供給されています。たとえば、Intelのネットワーク管理テクノロジである「Active Management Technology(AMT)」にはLANDeskの技術が採用されています。
今後は、デスクトップPC向け技術ブランドである「vPro」においても我々は対応していく計画なので、独立後の方がIntelとの関係は深くなっていると言えるでしょう。
--日本市場で成功するためには何が必要なのでしょう。
我々の製品は使ってもらうと良さが実感できるのですが、会社の知名度がまだ高くないために、試してもらうことも難しいのが現状です。ですから、我々の製品もさることながら、まずはLANDeskという会社を知ってもらうことが重要になります。
米国のメディアが構成管理ツールの実際に製品を導入し、使ってみて機能比較を行ったのですが、6つのメディアがLANDeskの製品がナンバーワンだという評価をしています。日本でもぜひ行ってほしいです(笑)。
--最後に、日本のユーザー企業、パートナー企業にメッセージを
LANDeskの製品は、すでに多くの実績があり、顧客に大きな価値をもたらすことは証明済みです。ですから、LANDesk製品を使用することで、高いROIを短期間で実現することが可能です。LANDeskの製品は、我々にも、顧客企業にも、パートナー企業にも、大きな価値を提供できる優れたソリューションなのです。