適切なITインフラ構築に向けた「IT構造改革投資」とは? - (page 2)

富永康信(ロビンソン) 2006年11月02日 18時05分

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「業務構造改革のためのIT」と「IT業務改革のためのIT」

 また内山氏によると、IT投資には目的用途別に3つの層(レイヤ)が存在するという。基本となる最下層にあるのは、「参戦する資格としてのIT」である。これは、社会的責任を果たすためのIT(法対応、セキュリティ等)や、商取引上に不可欠のIT(受発注システム等)、業務遂行上不可欠なIT(電子メール、ワープロ等)など、利用しなければ競争に参加できない投資のことを指す。言い換えれば、効率化や合理化を積極的に進めるための投資とも考えられる。

 その上の層には、「戦う武器としてのIT」がある。経営の舵取りや意思決定のためのIT(分析系システム、経営コックピット等)、知識の共有や計画制度の向上を支援するIT(ナレッジ管理、SCM等)などによる、経営や事業からの要請に応じて強化するIT投資を意味する。

 そして最も重要なのは、最上層にあたる「戦略としてのIT」だ。経営や事業、業務に変革を促すものとしてITを捉え、受動的に導入するのではなく、経営の方向性を示すために能動的に導入するものと考える。ここには、新ビジネスモデル実現のためのIT(金融商品開発、Eコマース)や、技術シーズ提案のためのIT(RFIDの適用等)などが該当するが、特に重要なのは、「業務構造改革のためのIT」(アプリケーション統合等)と、「IT業務改革のためのIT」(サーバ統合、仮想化等)だと内山氏は強調する。

適切な構造改革投資は10年間変化に耐えるシステムとなる

 ここでいうIT構造改革とは、維持費用や業務改善のためのコストが肥大化しないよう、将来の要件と全体的なアーキテクチャを考慮したITインフラ、およびミドルウェア環境の抜本的な見直しすることだ。

 仮に、構造改革投資を行わない場合、新しい業務提携や新規事業立ち上げなどのビジネス要件が加わる度に、システムがつぎはぎに構築され続け、それが翌年から維持運用費用として覆いかぶさってくる。すると、4〜5年周期で業務改善投資と維持費用の両方が膨れ上がり、大規模な再構築が必要な構造となってしまう。

 一方、適切な構造改革投資を行う場合は、ある程度抜本的にITインフラを見直すことで、一時は多額の投資が必要になるが、ビジネス要件の変化が起こっても10年間は変化に耐えるシステムとなる。このような戦略的投資なら、頻繁な再構築の必要はないのだ。

 「まず定常費用を抑制し、戦略的なIT投資に振り向けることが望まれるが、そのためにはまず、適正なIT投資管理の枠組みを確立することが肝要。IT投資を目的別に分類し、それに応じた投資の可否や、事後の効果検証を行っていくことが今後求められる」(内山氏)

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