日本オラクルは11月13日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に対応したシステム環境を実現するための機能をパッケージ化した新製品「Oracle SOA Suite 10g Release3」の出荷を、2007年1月9日より開始することを発表。同時に、SOAの開発を支援するSOA対応開発環境「Oracle JDeveloper」製品版を無償公開することを明らかにした。
Oracle SOA Suite 10g Release3は、以下の5つの機能で構成されるスイート製品。
- Oracle BPEL Process Manager:Webサービスやビジネスプロセスを標準に基づいて設計し、デプロイ。
- Oracle Business Activity Monitoring:ビジネスプロセスのモニタリング、リアルタイムな可視化を実現し、ボトルネックを改善。
- Oracle Web Services Manager:Webサービスオペレーションを管理するためのポリシー(アクセスポリシー、ロギングポリシー、ロードバランシングなど)を一元的に定義。
- Oracle Business Rules Engine:ビジネスルールをアプリケーションコードから分離させ、管理および実行可能に。
- Oracle Enterprise Service Bus:サービス間の単純連結やサービスの仮想化を実現。
ワンクリックでのインストール環境を搭載したほか、Enterprise Service Bus(ESB)の機能、ヒューマンワークフロー関連機能、相互運用機能およびSOAガバナンス機能など、SOAの展開と導入に関する機能が強化されている。
日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長、三澤智光氏は、「SOAを実現するためのミドルウェア製品を提供しているベンダーは数多くあるが、開発からデプロイ、管理、セキュリティ、ルールエンジンまで、必要な機能のすべてをスイート製品として提供できるのはオラクルだけ」と話す。
三澤氏が話す“必要な機能のすべて”という言葉には、必要な製品機能はもちろん、「SOA Based Integration」および「Enterprise SOA」というSOAを実現するための2つのアプローチについても含まれている。
SOA Based Integrationは、SOA技術を活用することで直近のビジネス課題を解決する手法。Oracle BPEL Process ManagerとOracle BAMをベースに、データ連携、ワークフロー、システム連携などの実現における課題を解決し、徐々にEnterprise SOAにステップアップできるアプローチだ。
一方、Enterprise SOAは、Oracle SOA Suite 10g Release3の機能をフルに活用することで、グランドデザインされたシステムを構成。変化対応力やリアルタイム性、コスト削減などに最大の効果を発揮する理想的なSOA環境を実現するためのアプローチとなる。