三澤氏は、「これまでSOAといえば、Enterprise SOAを実現することばかりが言われていた。しかし、Enterprise SOAが必要な企業は現状では全体の10%程度しかない。残りの90%は、SOA Based Integrationで十分だ。このギャップが、SOAという言葉の意味を分かりにくいものにしていた」と話している。
「SOA Based IntegrationからEnterprise SOAにステップアップするためには、製品機能はもちろん、メソドロジや実績、ホットプラガブル機能などを実現することが必要になる」(三澤氏)
SOA実現のために必要な製品機能とは、プロセスを絶対に止めない可用性や保証された拡張性、一元的に管理できる管理機能など。また、サービスに手を加えることなく設定可能なポリシー管理機能やサービスを可視化するBAM機能、サービス情報を一元的に管理するレジストリ機能などが必要になる。
SOAを実現するためのメソドロジでは、「Level 5 SOA(SOAを実現する5つのレベル)」を採用。(1)シンプルで結果の見えやすいSOAの実装、(2)既存プロジェクトにSOAを適用、(3)業務プロセスの自動化と改善にフォーカス、(4)ビジネスプロセスオーケストレーションに対するプロセスのモニタリング、(5)SOAを業種ごとに適用の5つのレベルでステップアップする。
このメソドロジは、The Hartford(ハートフォード生命保険)やING Lease(ベルギーのリース会社)などで、すでに実践されている実績がある。
日本オラクルではさらに、SOAに対するあらゆる標準化テクノロジをサポートすることで、オラクルのサービスはもちろん、他社製のサービスも自由に組み合わすことができるホットプラガブル機能を提供。J2EE開発とSOA対応機能を連携し、BPELデザイン、ESBルーティング設計、アダプタ設計、XMLマッパー、Webサービス開発などの機能を統合した開発環境の最新版「Oracle JDeveloper(10.1.3.1)」の無償ダウンロードも開始している
そのほか、SOA導入アプローチ&アセスメントサービスを20社程度限定で無償で提供。SOAのスモールスタートを支援する。これにより、その後のSOAプロジェクトで有償のサポートを利用することもできるほか、顧客自身で独自に展開することも可能になる。この無償サポートは、アクセンチュアや日本HP、新日鉄ソリューションズなどのパートナー機能と共同で提供。今後は、パートナー各社にノウハウを移管していく計画という。
三澤氏は、「現在、世界最大級のSOAプロジェクトを推進しているのは、オラクル自身だ。Oracle EBS、PeopleSoft、JD Edwards、Siebelを統合するOracle Fusion Applicationsの基盤技術としてSOAはなくてはならない技術だ」と話している。
Oracle SOA Suite 10g Release3の価格は、1プロセッサあたり625万円(税別)。Oracle Application Server 10gを含むパッケージ製品は812万5000円となる。なお、Oracle BPEL Process Manager(250万円)、Oracle Web Services Manager(500万円)、Oracle Business Activity Monitoring(375万円)の単体製品も引き続き販売される。