サンフランシスコ発--Sun Microsystemsは、初代「Niagara」(正式名称「UltraSPARC T1」)チップを搭載したサーバが低消費電力だということをしきりに宣伝してきたが、後継チップもそれをやや上回る程度の消費電力ながら性能は飛躍的に高まるとの見通しを、同社幹部がこのほど明らかにした。
初代Niagaraは、最大限の稼働状態でおよそ70Wの電力を消費する。Sunのシステム担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるJohn Fowler氏は、米国時間12月5日にSun本社で行われた会見の中で、「Niagara 2」の消費電力も70〜80Wになるだろうと語った。
消費電力は「初代Niagaraよりほんの少し増える」ものの、Niagara 2では、現在は別に電子回路を必要とするいくつかの機能を組み込んでおり、また、同時に処理できる命令シーケンス--スレッド--の数が64と、初代Niagaraの2倍になる、とFowler氏は説明した。
Niagara 2には、フルスピードの暗号化処理、「PCI Express」入出力(I/O)ポート、4つのメモリコントローラを備えた、10Gbpsのネットワーキング機能が組み込まれている。まさに「システムオンチップ」に向けた流れの一例だ。
ただしNiagara 2は、FB-DIMM(Fully Buffered Dual Inline Memory Modules)メモリを必要とする。FB-DIMMは、現在のNiagaraサーバで使われているDDR2(Double Data Rate 2)メモリより多くの電力を消費する技術だ。実のところ、Niagara 2のシステムの消費電力が初代Niagaraより多くなるかどうかを、メモリが左右する。
「メモリ容量の大きいシステムでは電力消費は多くなる。メモリが小さければ、Niagara 2のシステムの電力消費は少なくなる」と、Fowler氏は言う。
Sunは、初代Niagara搭載サーバを2005年に発売し、このシステムは現在、四半期あたり1億ドル以上の売上を記録している。Niagara 2搭載モデルは2007年後半に登場する予定だ。両システムは、ドットコムバブルがはじけて以後、Sunが失った影響力や市場での地位を回復する戦いで最前線を担う製品ラインとなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ