富士通は1月9日、グループ会社の富士通コンポーネント、横浜国立大学と共同開発した超広帯域無線(UWB)ベースの屋内向け高精度位置測定試作システムを発表した。新開発のアクティブUWBタグを用い、17cmの測定精度を確認できた。
富士通などの試作システムは、測定対象の人や物体に取り付けるアクティブUWBタグと、タグからの電波の到達時間を測定するUWB基地局で構成する。UWBタグがナノ秒単位という極めて短い時間幅の電波を送信し、UWB基地局が330ピコ秒という高い分解能で電波の到達時間を計測することで、「平均誤差が17cmと世界最高レベルの精度」(富士通)のタグ位置測定を実現した。
UWBタグは送信機能のみを備え、必要な回路が間欠駆動するため、低消費電力で作動するという。また、基地局には基地局間の距離を高精度に測定する機能を搭載し、初期設定を容易にした。
この位置測定システムは、同時に最大500個程度のタグの位置測定が可能。富士通では、「オフィスにおける在席管理や、店舗における顧客の動線や荷物の位置管理など、人やモノの位置に基づくサービスの実現に貢献する」としている。