日立製作所(古川一夫社長)は、非接触型ICチップ「ミューチップ」を活用して、電気ケーブルの複雑な配線作業を容易に行える技術を開発したと発表した。
今回開発した技術では「ミューチップ」をケーブル側とケーブルが接続される機器側に接続。2つを1つの対とみなし、読み取った「ミューチップ」の対と設計画面上の接続情報とを照合することで接続の正誤判定を行う。
大型の電力プラントや産業プラントなどの保守点検や改修工事での電気ケーブルの接続工事は、電気ケーブルの接続確認を目視による方法が採られており、照合作業を複数回行うことが多いため、接続確認の作業で時間がかかっていた。新技術を使えば、電気ケーブルの接続工事での作業時間を短縮できる。
一方、動力プラントで多く用いられる機器は10mm前後のピッチで端子が並ぶため、接続後は狭い範囲に多くの「ミューチップ」が存在することになる。日立では結線の正誤を判定できるように接続した「ミューチップ」を読み取る技術も開発。接続確認作業を効率化し、信頼性を高めた。