カリフォルニア州レッドウッドシティー発--業界団体のLiberty Allianceは、オープンソースの開発者らに対し、同団体が策定した仕様をオープンソースアプリケーションに採用するよう促すことを目的とした新プロジェクトを発表した。
Liberty Allianceは米国時間1月22日、当地で開催されているイベントである「Liberty 2.0」の中で、新プロジェクト「OpenLiberty Project」を発表した。このプロジェクトは、Liberty FederationおよびLiberty Web Servicesの両標準を使ってアプリケーションを開発するためのさまざまなツールや情報の提供を目的としている。Liberty Allianceは、2001年にオンラインID認証用の標準を策定する目的で設立された。
Liberty AllianceのバイスプレジデントであるJason Rouault氏はインタビューの中で、「OpenLiberty Projectを立ち上げた目的は、オープンソース開発者らが、オープンID標準に関して情報をやり取りしたり、協力し合うためのコミュニティーを提供することにある」と述べ、さらに次のように続けた。「IDに関するオープンソースの取り組みはすでに2、3存在する。しかし、それらに欠けている肝心な点は、IDベースのWebサービスのサポート能力だ。それには、シングルサインオンにとどまらず、識別属性の共有も含まれる」
例えば、Liberty Allianceの仕様を採用することにより、あるアプリケーションが個人のカレンダーサービスを探し出して予定を記入したり、ユーザーのオンライン決済サービスを探し出して取り引きを開始するといったことが可能になる、とRouault氏は語る。「この機能は、『Liberty Identity Web Services Framework(ID-WSF)』の一部であるが、オープンソースの取り組みでも、こうしたことは扱っていない」(Rouault氏)
Rouault氏によると、Lasso、SourceID、OpenSAMLといったオープンソースプロジェクトにはLiberty Allianceの仕様を採用するメリットがあるという。Rouault氏は、Hewlett-Packardのアイデンティティ管理担当最高技術責任者(CTO)でもある。
ただ、OpenLiberty ProjectはLiberty Allianceの仕様を明白に開放するものではない。実際に仕様を採用したい場合は、Liberty Allianceに加入する必要がある。そのためには、いくつかの書類に記入し、料金を支払う必要があるが、オープンソースの開発者らは一般に、開発のために料金を支払うことはない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ