具体名を上げOSSミドルをサポート
OSSで重要となるサポートとサービスについては上流工程の企画、コンサルティングからSI、そして運用/保守に至るまで、ライフサイクル全般をカバーしている。Linuxについては、システム全体の中にLinuxが混在しているケースも含めて体制を整備している。
NECはまた、OSSミドルについて明確なサポートの方針を打ち出している。これは他社に対する大きな差別化要因だ。具体的には、システム構築サービスでは対応OSSとして21種類を、また保守サポート/サービスについては対応OSSとして14種類を上げている。
「OSSミドルは今NECの中で重要な位置づけとなっており、その推進組織としてわれわれのOSS推進センターがあるのです。ここはハードウェアを売るための組織でもないですし、ソフトウェアを売るための組織でもありません。全社でオープンソースをうまく使うための組織というミッションを持っています。組み込み型のシステムでもネットワークのシステムでも、それに対してわれわれが横断的に参加していってOSSを提供するということで、これは他社にないものだと思っています」
そこで、SIのフェーズではシステム用途、規模に応じたソフトウェアスタックを2種類用意している。商用ミドルとOSSミドルを組み合わせた基幹システム向けスタックと、商用ミドル中心の、MC性の高い基幹システム向けスタックの2つだ。
「この2つの適用領域はもちろん異なるわけですが、この前者の商用ミドルとOSSミドルの組み合わせでシステム構築できればコストが削減できますので、これは当社の大きな競争力ということになります」
すでに、NECではLinuxプラスOSSミドルで2100サイトを超える導入実績を持っている。たとえば、GMOインターネット証券(証券フロントシステム)や早稲田大学(履修科目申請システム)、パイオニアプラズマディスプレイ(NT ServerからLinuxプラスSamba)、メガネの三城(メインフレームをLinuxへ移行)、二宮町役場(全デスクトップをOSSに移行、IPAのOSSデスクトップ導入実証実験)など、具体的な顧客名も公表している。
こうした導入実績が、今後さらに量、質ともに拡大、向上していくことになる。