大企業の進出が相次ぐ--人気の仮想世界「Second Life」とは? - (page 2)

文:Steve Ranger(CNET News.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、磯部達也

2007-02-08 21:48

--なぜそんなに今注目を集めているの?

 大企業はいくつかの理由で、Second Lifeのような仮想世界に興味を持っている。

 まず、膨大な人口を見逃すわけにはいかないね。(本稿翻訳時点の)最新のデータでは人口が約330万人となっている。無視できない顧客ベースがあるということだ。当然のことながらReuters、SonyBGM、Adidas、Reebokなどの有名ブランドも参入を開始している。こうした企業の多くが、自社用の島を購入しているんだ。

--島もあるの?

 もちろん。建物を建てたいと思ったら、まず土地を買うんだ。いっそのこと島ごと買ってはどうかって?小さな島であれば、約16エーカー(約6万5000平方メートル)で1250ドル、保守のための土地料金が月額195ドルとなっているよ。大きい島が欲しければ5000ドルもの額が必要になるんだ。

--島ではどんなことができるの?

 いろんなことだよ。現実世界の製品を展示する仮想店舗を開く企業もあれば、スタッフと顧客が会う場所として仮想空間を利用する企業もある。例えば日産自動車は、仮想の自動車を試乗できる巨大な自動販売機を設置しているんだ。島によってはホテルや総合娯楽施設が設けられているよ。ReutersはSecond Lifeの住人が現実世界のニュースを知ることができるように「Reuters Atrium」という支局を作っているんだ。

--では、皆が仮想世界に「住む」ことになるわけだ。

 いろんな面白い実験が進んでいるよ。こうした仮想世界というのはまだまだ初期の段階にあるんだ。

 従来の一部のゲーム環境と比べると、ユーザーベースはまだ小さい。「World of Warcraft」には800万人もの会員がいる。そう聞くと、Second Life人口はまだまだ少ないと感じるかもしれない。でも、この状況はそのうちに変わっていくのではないかな。

 コミュニティがどのように発展していくかが大きな鍵を握るだろう。ユーザーがコンテンツを生み出す多くのモデルと同じで、参加者がどれだけ創造力を発揮するかに大きく左右されるんだ。もちろん、大企業の影響力が大きくなりすぎて、可能性を秘めた場所がただのマーケティングツールに変わってしまうおそれだってある。

 結局のところ、このようにWeb 2.0の波に乗っている人たちというのはとりわけ移り気だから、次に何か新しいブームがやってきたらさっさとそっちに乗り移っていってしまうだろう。

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