“見える”ためには活用のための仕組みも不可欠
ソフトブレーンの営業支援ソフト「eセールスマネージャー」では、「1日に何が起きたかを知らせる」のではなく、「あらかじめ必要な情報をアンケート形式で定義する」ことで、事実を正確に把握する仕組みが実現されている。
「新しい商品を紹介したときにすべきことは?」「コンペになったときの自社優位点と他社優位点は?」「クレームを減らすために押さえるべきポイントは?」など、それぞれのケースにおいて、達成したい目的や改善したい課題に合わせて自由に項目定義が可能だ。
また、“見える”ためには、情報は共有されるだけでなく、活用される仕組みも不可欠だという秋山氏。eセールスマネージャーでは、「案件が重要なフェーズに入ると上司に同行依頼のメールが自動的に配信される」「コールセンターでクレームを受けたときには営業担当と品質管理部門へ自動的に内容が送信される」といったさまざまなルールを組み込む(ルールエンジン)ことが可能だとした。
プロセスが見えれば課題が見える
次に秋山氏は、eセールスマネージャーを活用することで、営業プロセスが見えれば課題が見えるということを証明する2つの事例を紹介した。たとえば、A部署は提案フェーズで失注率高いことがわかれば、どういう提案をしているかをドリルダウンして提案体制を見直していく。
また、B部署は稟議フェーズで失注率高いことがわかれば、競合他社の動きをより早い段階で調査するようにする、といった具合だ。
また、もうひとつ、営業とマーケティングの一体化の事例も紹介。あるカーディーラー店の例では、スタイルや走行性重視で売れると予想されていた商品が、eセールスマネージャーを利用した情報収集より、レジャー性、インテリア、環境配慮が、顧客にとっての重要な購入ポイントになっていることがわかった。
従来は状況把握に3カ月以上もかかっていたが、2週間で正確な状況把握が可能になったという。商品の売れ方が違うのであれば、販売側の売り方も変えなければならないという証明がされたわけだ。
最後に相山氏は、PDCA(Plan-Do-Check-Action)に沿った現場活用のイメージとして、eセールスマネージャーのポータル画面からウイングアークテクノロジーズのOLAPツール「Dr.Sum EA」、インフォベックのERP「GRANDIT」、サイボウズのポータル型グループウェア「ガルーン2」とのアプリケーション連携のデモンストレーションも紹介した。