Forrester ResearchのシニアアナリストであるMatthew Brown氏も同様に、Googleの新しいビジネスアプリケーションスイートが、一般的にMicrosoft Officeのようなプログラムが適する市場分野とは異なる分野で注目されるかもしれないと述べている。
Brown氏は、Microsoft OfficeのプログラムがGoogleの軽量なウェブベースソフトウェアに比べて高価で、機能が多いことを指摘し、「宣伝活動の面からは、(Googleは)Microsoftのツールほどの機能を必要としないか、その価格の高さにためらっている顧客の一部を侵食することになるだろう」と述べた。
Brown氏は、「表計算ソフトの購入者すべてが、複雑な使い方を必要としているわけではない」と付け加えた。「Microsoft製品とGoogleのサービスを比べた場合、機能面から比較することは非常に難しい」(Brown氏)
一方でMicrosoftは、Googleの発表は興味がない様子で、同社が2007年1月に一般発売を開始した「Office 2007」へと話を進めた。
Microsoftの広報担当であるWhitney Burk氏は、「われわれは、顧客に世界一の生産性ツールを提供することに力を注いでいる。Microsoft Office 2007のリリースは、劇的な前進である」と声明で述べた。
しかしBrown氏の意見は異なる。同氏は、MicrosoftはGoogle Appsの動向に目を光らせ続けるだろうと考えている。
Brown氏は、「Microsoftは、Google Appsを直接的な攻撃と見なすことは明らかだ」と述べる。「彼らはOffice Liveで、広告表示モデルとサブスクリプション形式モデルをサポートしたオンデマンド生産性ツールを提供している。しかし、こうしたツールがクリティカルマスを形成するまでにはいくつかの障害がある」(Brown氏)
これまで、パッケージ販売で成長してきたMicrosoftにとって、機能が少ないが使用用途の広いGoogle Appsと立ち合うことは難しいことが分かるかもしれない。
Googleはすでに、有料無料のサービスを問わず、ウェブベースアプリケーションでの利益性のあるビジネスモデルを確立してきた。Google Appsの無償版で作り上げた広告モデルはすでに成功を収めている。
たとえユーザーが年額50ドルの新しいサブスクリプション形式サービスに足踏みしたとしても、GoogleはそれでもGoogle Appsで利益を得る手段を多く持っている」(Brown氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ