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注目を集めるオープンソースの仮想化ソフトウェア「KVM」、その成功の可能性は? - (page 2)

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、長谷睦

2007-03-08 20:51

 KVMの旗振り役であるQumranetは、Sequoia CapitalとNorwest Venture Partnersから資金を調達しているが、Qumranetの最高経営責任者(CEO)、Benny Schnaider氏は、そのビジネスプランについてノーコメントを通している。取材に応じたSchnaider氏は、Qumranetは「KVMの販売やサポートを収入源にする計画はない」とだけ明かした。

 Schnaider氏によると、KVMプロジェクトは2006年の初めにスタートしたという。これは現在QumranetのCTOを務めるMoshe Bar氏が、XenSourceを退社した時期とほぼ一致する。XenSourceはXenの商業利用を目的とした新興企業で、Bar氏は共同設立者の1人だった。この件についてBar氏にコメントを求めたが拒否された。

 Qumranetはカリフォルニア州サンタクララに本社を置き、イスラエルに研究開発施設を構えている(社名の由来になったQumranとは、死海文書が発見された洞穴群近くの、かつてユダヤ教徒の定住地があった場所の名前だ)。Schnaider氏によると、30人を超える従業員のほとんどはエンジニアとのことだ。優秀なプログラマーでQumranetの従業員でもあるAvi Kivity氏の話によると、そのうちKVMに取り組んでいる人数は12人以下ということなので、同社にはKVM以外に進行中の技術があると考えて間違いないだろう。

 Kivity氏は、KVMを世に広めた人物だ。そのきっかけは、現地時間2006年10月19日に同氏がLinuxカーネルのメーリングリストに行った投稿だった。Kivity氏のパッチは、IntelとAdvanced Micro Devices(AMD)の最新プロセッサに組み込まれたハードウェア仮想化機能を、より高いレベルのソフトウェアも利用できるよう、Linuxをアップデートするものだった。これを使うと、新しいハードウェア上で、Microsoft Windowsを含む他のOSを、Linuxのホスト上で稼働する「ゲストOS」として実行できる。

 KVMのアプローチはXenとは異なる。Xenでは負荷の少ない「ハイパーバイザ」を基盤とし、そこに特権的なOS(通常はLinux)を組み合わせることで、ハードウェアへのアクセスを制御している。

 KVMの手法は、考え方としてはVMwareが採っている2つのアプローチのうち、「ホストベース」(hosted)型と呼ばれるやり方に近い。これは同社がフリーで提供している仮想化製品「VMware Server」と「VMware Player」で使われている方式だ。この場合、ゲストとして実行される仮想化マシンは、基盤となるOSのコピーの上で稼働する。これに対し、ハイエンド製品の「VMware ESX Server」では別のアプローチが採られており、フル機能を備え、マシンへの負荷もかなり高いハイパーバイザが、その下のレイヤにあたるハードウェアへのアクセスを制御する仕組みだ。

 KVMのパッチは、Torvalds氏と協力者たちがメンテナンスする本流のLinuxカーネルに、ほぼ即座に組み入れられた。XenによるLinuxへの機能追加では、このようなことは今までなかった。

 Kivity氏は取材に対し「われわれはLinuxに合わせた手法をとった」と話している。「Linuxカーネルのメーリングリストを長い間読んできたので、カーネルのメンテナーが何を重要視するかはわかっている。わたしは何よりもまず、問題の解決に努めた。不具合が出たらすぐに修復した」

 Kivity氏はKVMを言葉ではなく、ソースコードそのもので紹介した。「メッセージの最初の言葉が『PATCH』でない限り、カーネルのメンテナーは真剣に取り上げてくれない」(Kivity氏)

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