新日鉄ソリューションズは3月12日、東京大学素粒子物理国際研究センター内に設置されている「ATLAS実験地域解析センター」に計算機システムを納入したことを発表した。
ATLAS実験は、35カ国・1800人以上の研究者が絡む国際協力実験プロジェクト。実験から得られる膨大なデータは、世界中に分散しグリッド用ミドルウェアで結合された数万CPUの計算機で解析される。
その国内での解析・研究の拠点となるセンターで使用される同システムは、ブレード650台×2CPUで合計1300CPU、2600コアを搭載。インテル デュアルコアXeonプロセッサを採用したシステムとしては日本最大級だ。
新日鉄ソリューションズは同システムを2006年8月に落札し、同年12月に納入した。納入にあたって新日鉄ソリューションズでは、2005年12月に主要ベンダー14社の協力を得て同社のシステム研究開発センター内に設置されたグリッド・ユーティリティ検証センター(NSGUC:NS Solutions Grid Utility Center)で実環境に近い大規模・高性能の環境を構築し、同システムの重要なコンポーネントであるネットワークファイルシステムの評価を実施している。
今回のシステムの主要構成は以下の通り。
- サーバ:DELL PowerEdge1955 650台
- プロセッサ:インテル デュアルコア Xeonプロセッサー 5160× 1300CPU(2600コア)
- ディスクアレイ:物理容量1.1ペタバイト
- テープライブラリ:物理容量3.3ペタバイト
スイス・ジュネーブに本拠を置く欧州原子核研究機構(CERN)は最前線の素粒子物理の研究を行うため、世界最高エネルギーの陽子・陽子衝突型加速器であるLHC(Large Hadron Collider)を建設中だ。LHCで行われる実験の一つがATLAS実験になる。