中堅向け内部統制支援スイートの目玉は「参考書型」コンテンツ
中堅企業向けソリューションといえば、TISは2007年3月22日に「IC-Vision Suite」を発表したばかりだ。その背景には、大手企業に内部統制コンサルタントが集中し、その数が不足しているとともに、対応コストが高額となるため、中堅企業では準備や対応がなかなか進んでいない状況がある。
TISが提供するIC-Vision Suiteとは、低コストで内部統制対応を実現したい企業や、コンサルタント不足に悩んでいる中堅企業や上場子会社を支援するソリューション群のこと。同スイートは、内部統制構築支援ツールである「IC-Vision Tools」、内部統制文書化を支援するコンテンツ集とe-Learningによるガイダンスサービスからなる「KNOWLEDGE CONC.(ナレッジコンク)」、そして内部統制に関する各種教育・問合せ・導入支援サービスである「IC-Vision College」で構成される。今回、同スイートの第1弾として、文書化作業を支援する業務記述書、フローチャート、RCM等のコンテンツ集「KNOWLEDGE CONC. Release ?」を3月26日から販売する。
TIS 事業統括本部 産業第1事業部 エンタープライズソリューション部 営業担当 主査である森本旭氏は、「当社はこれまでは大手が中心で、なかなか中堅・上場子会社のお客様にソリューションを提供できておらず、それがIC-Vision Suiteを企画する背景となった。同スイートでは文書作成・管理ツールとしてVisioやSPS 2007といったMicrosoft Office製品を全面的に適用している。また、コンテンツについては、各社からいくつか提供されているが、品質が良くて安いものはなかった。そこで、大手監査法人からスピンアウトして設立されたアグリーメント社のメンバーが数千時間かけて作成した文書化支援コンテンツを、低価格で提供することにした。また、各種のQ&A対応や教育サービスも提供する。IC-Vision Suiteは、ツール、コンテンツ、カレッジによるオールインワンのソリューションだ」と説明する。
通常であれば、コンサルタントがガイダンスを行い、取り組みの進め方をトランスファするのが一般的だ。同スイートの場合、コンテンツの中にe-Learningが含まれているため、それを学習し、用意されたテンプレートや解説書を使って自社向けにカスタマイズすることになる。
「コンサルティングベースの取り組みを家庭教師型にたとえるならば、IC-Vision Suiteは参考書型と言えるだろう」(大塚氏)
TISでは、同スイートのユーザーにチケット等を発行して、特別なセミナーを開催するなど、「塾型」のサービスも提供していくという。提供されるコンテンツは120万円。経験豊富な公認会計士やシステム監査人らによって精査されており、かなり低い価格設定となっている。内部統制対応に取り組む中堅企業は検討してみる価値がありそうだ。