IBMは2007年中に、第4世代ハイエンドIntelチップ搭載サーバをリリースする予定だ。同サーバは、4コア「Tigerton」Xeonプロセッサを使用し、ソフトウェア企業による同種のマシンのサポートを容易にするという。
4基以上のプロセッサを使用するシステム向けに開発されたIntelの「MP」Xeonプロセッサは、IBMのx86系ハイエンドサーバの「頭脳」である。だが、それらのプロセッサとメモリ、ネットワーキング機能、ストレージ、その他のプロセッサを結びつける「神経」とも言えるチップセットを提供しているのはIBM自身だ。
IBMのハイエンドx86サーバ担当マーケティングマネージャーのJay Bretzmann氏によれば、「X4」と呼ばれる第4世代チップセットは、Intelの新たなTigerton版Xeonとともに2007年後半にリリースされるという。この4コアチップは、競争力のあるIntel「Core」アーキテクチャを採用した初めてのMPモデルである。
Bretzmann氏は、「X4がわれわれの4コア世代製品となる」と述べた。IBMのチップセットは、スタンドアロン、または、より大規模なマルチプロセッサ構成に組み入れられる4プロセッサシステムに搭載されている。
IBMは1990年代後半に「X」アーキテクチャ計画を立ち上げ、ハイエンドサーバ部門のエンジニアに独自のx86サーバを設計させて、ハイエンドXeon市場への参入を果敢に試みた。IBMは、IntelのXeonもしくはAMDのOpteronを搭載したx86サーバの普及によって大きな利益が得られると見込んで、Xアーキテクチャを特にハイエンドサーバを意識して設計した。
X4システムは、AMDに奪われたハイエンドx86チップ市場のシェアを奪い返すチャンスをIntelに与え、IBMがx86分野のリーダーであるHPを追撃する可能性を生み、Dellなどの反対派を抑えてハイエンドx86サーバのコンセプトを売り込むきっかけになるなどの点で、きわめて重要な存在と考えられる。
「Hurricane」のコードネームを持つIBMの現行のX3チップセットは、最大32基のプロセッサを使用した構成に対応している。X4も同じ路線を継承するが、IBMは最大構成をLinuxおよびWindowsがサポートできるサイズに制限するつもりだと、Bretzmann氏は話した。
「ハードウェアは間もなくリリースされる。これを十分に活用できるだけのスレッドをOSが持つに至るかどうかは、まだわからない」と、同氏は述べている。現在のWindowsおよびLinuxは、技術的には最大32基のプロセッサをサポートできるが、そうした製品に対する需要はほとんどないのが現状だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ