デルと日本オラクルは4月4日、これまでの提携をより強化すると発表した。両社は、共同で検証や市場開拓を行うほか、デルがオラクル製品を含めたサポートをワンストップで提供する。
今回の提携強化は、デルのスケーラブルエンタープライズ戦略と、オラクルのグリッドコンピューティング戦略を、両社共通のエンタープライズ戦略として融合することを基盤としている。デル アドバンストシステムズグループ本部長の町田栄作氏は、この両社の戦略について「方向性は同じだ」と述べ、親和性の高い戦略であることを強調した。
両社のこれまでの関係について、日本オラクル 取締役 システム事業担当 常務執行役員の保科実氏は、「ワールドワイドにおいて、デルは2003年よりオラクルのリセラーとなっており、いまやオラクルのリセラーとしてはナンバーワンだ。また、『Oracle On Demand』などのASPビジネスは、デルのサーバとLinuxを採用している」と話す。さらに、「2006年10月には、世界に先駆けて日本で立ち上げたグリッドソリューションの検証施設『Oracle GRID Center』のパートナーとして協業している」と説明する。
今回デルは、オラクルのパートナープログラムの最上位プログラムとなる「Certified Advantage Partner」(CAP)の契約を締結した。CAPとなっているのは、日本国内ではデルを含め9社のみ。これにより、デルはオラクルとの直接取引が可能となり、ハードウェアからオラクル製品までを含めたワンストップでのサポートを提供する。
また両社は、Oracle GRID Centerにて、x86ベースのOracle GRID環境の検証を共同で実施する。サーバとストレージの実機を用い、データベースサーバとアプリケーションサーバの密連携や、求められる可用性、拡張性、運用監視、バックアップなどの事例を作成、導入サービスのメニュー化を目指す。
さらには、デルの直販ビジネスで培った市場へのリーチと、オラクルの営業部隊「Oracle Direct」との連携で、中小企業市場への提案活動を強化するほか、両社でエンタープライズLinuxを推進し、パッケージの共同開発なども行うとしている。