新年度にも新たなプロジェクト
さらに、2007年4月からの新たな取り組みとして「OSSオープンラボ」がある。これは開発者に対する個別開発支援ではなく、ツールや典型的なOSSなどを揃えた環境を作るというもの。OSSはコミュニティ活動など、独自の個人的活動などで開発される一方、こうした手段を十分に活用できないという声もある。こうした問題を解決するため、IPAとして共通的な開発支援環境、評価環境を目指す。
もうひとつは「ヘルプPCプロジェクト」だ。同プロジェクトは、サポート切れのパソコンに対して支援を行うという取り組みだ。
「Linuxを導入しようと思っても、専門的な経験がない人はできません。それを網羅的にデータベース化し、どのディストリビューションでどのようなことができるのかといったことをディスカバリー(発見)できないかということを検討しています」
具体的には、IPAの用意する特定のサイトにアクセスすることで、そこからPCのチェックプログラムがダウンロードされ、どのOSSをダウンロードすればよいかを推奨してくれる仕組みを実現したいという。
同氏は、「プリンタドライバなどでは個別に同様のサイトがありますが、それを網羅的にやりたいということです」と積極的だ。
しかしまだまだ課題もある。
「調達側も開発側も、スキルのある人が少ないという現実問題があります。特に地方自治体はOSS採用の背景に、地元の業者を採用したいという意識があるようですが、きちんとサービスできる人が少ないのが現状です。そこでわれわれも“駆け込み寺プロジェクト”のようなものを検討しています」と田代氏は言う。
これは、問題が起きたときに相談する窓口だ。実証実験などを通して、また新たな課題が顕在化してきたということがいえるだろう。
